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今週の一本

●「卸売業者に聞く」魚食普及シンポ  相模活 (週刊水産タイムス:12/10/08号)

魚を説明する人が不在

活発に意見を交わす
パネリストと参加者ら
価格でなく情報で勝負
 大日本水産会(東京・港区)の魚食普及推進センターは3日、水産製品の消費拡大を目指して流通・卸売業者から意見を聞くシンポジウムを同会会議室で開き、約50人が参加した。魚食を考える全4回の連続シンポの3回目。既に5月29日に量販・鮮魚専門店、9月4日には消費者をパネリストに意見交換している。最終の11月15日は魚食普及活動者を迎える。

 この日のパネリストは、中央魚類(東京)の須永昭二業務部長、群馬丸魚(群馬)の中里裕社長、中部水産(愛知)の神谷友成販売促進部長、うおいち(大阪)の土屋豊市場営業部営業広報課員の4人。コーディネーターは東京海洋大学の馬場治教授が務めた。

 魚食拡大には水産関係者の連携が不可欠だが、卸売業者は量販店にどう接しているのか。須永氏は「水揚げ地などの基本情報のほか、栄養価や食べ方なども伝え、魚に関心をもってもらえるよう工夫している」と話した。

 消費者の魚離れが止まらない状況について、須永氏は「若い人は旬の魚や食べ方を知らない。町の魚屋も減り、誰も魚を説明しなくなった。魚食文化を守るには教育が必要なのでは」と提言。中里氏は「うちは外食産業も展開しているが、食べ盛りの息子とその友だちを連れていくと、とてもよく食べる。魚は嫌いじゃない。でも家庭ではあまり食べていない様子。(値段が)高いイメージがあるのかな」と分析した。

 神谷氏は「昔は魚屋で『こんな魚が入ったよ』と勧められて買った。今はスーパーに並べてあるものを自分で選んで購入する。魚を説明する人がいなくなった」と指摘。「(手間を掛けずに調理できる)ファストフィッシュや(魚の専門知識を伝える)おさかなマイスター制度など魚食普及の取り組みもあるが、バラバラでやっているのが問題。点ではなく、業界全体で連携する必要がある」と強調した。

 土屋氏は「ひとりで生活していたら、魚をさばいてまで食べる気にはならないだろう」とし、「最近は単身世帯が増えているから、ファストフィッシュは必要。反面、『お魚はさばいてたべましょう』と言えないところにジレンマも感じる」と語った。

 魚に関する情報不足が浮き上がったが、須永氏は「産地と接している卸が最も魚の情報を持っている。しかし、その重要性に気付いておらず、生かしきれていない」と述べ、「卸は仲卸にしっかり情報を伝えないといけない。仲卸が情報を持っていないと、小売や外食に売り込む手段がなく、結局、価格競争になってしまう」と危惧した。

 だが、卸と仲卸の連携もなかなかうまくいかない。神谷氏は「卸が仲卸に魚の専門知識を教える勉強会を名古屋で開催していたが、出席者不足から休止に追い込まれた」と明かした。

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