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今週の一本

●バンコクでとんかつ人気  橋本武寿 (週刊冷食タイムス:13/10/29号)

ギョーザは深く浸透中

 タイ・バンコクでとんかつ店が賑わっている。餃子やたこ焼きなども日系レストランに深く浸透している。タイ人行きつけの飲食店で日本ならではのメニューをいかに普及するかは課題。そうした中、タイ味の素冷凍食品やテップキンショーフーズ、N&Nフーズなどが新たな取り組みを始めている。華僑系メーカーなど強力なライバルを追い上げる日系メーカーの最新動向などを取材した。

タイ人行きつけの飲食店で
日本食をいかに普及するかが課題
 タイの日本食レストランは首都のバンコクを中心に現在1600店舗程度あるという。4〜5年前まで約千店舗であり、急増している。最近出店した「とんかつ まい泉」は1食300〜400バーツと平均よりかなり高値だが、タイ人で大盛況という。同店のとんかつ肉は華僑系のCPグループが製造、パン粉はS&Pが製造する。「とんかつさぼてん」も人気という。タイ人は鶏肉を好んで食べるが、それ以上に豚肉を好むという人もいる。

 たこ焼きは日本食レストランの6割に浸透しているという。タイでたこ焼きを拡販するテップキンショーフーズの落合弘海取締役は「将来8割まで浸透させたい」と語る。

 味の素冷凍食品グループ独資のタイの調理冷食生産会社、タイ味の素冷凍食品(AFT)はタイ人のし好に合った低価格餃子を開発、今月から販売を始めた。既に「すごい反響」(高城一彰社長)。AFTが従来より現地の日系レストラン向けに展開しているプレミアム餃子と比較して、タイ人が主に利用するフードコートや食べ放題業態などに向けた低価格餃子は、大きさは同じながら、納品価格は低く設定。さらに、タイ人は焼き餃子よりも揚げ餃子を好む調査結果を基に、揚げオペレーション用の餃子を開発した。その結果、大反響を呼んだ。

 日系のレストランではAFT製造の餃子がかなり浸透しているのは事実。バンコク中心部の商業施設ゲイトウェイやレインヒルでその一端がはっきりと伺える。ゲイトウェイに店を構える居酒屋や定食屋、ラーメン店で同社餃子をメニュー採用している。レインヒルのラーメン店では1日に100皿も注文があるという餃子が同社のもの。

 マルハニチロ系列のN&Nフーズは前年度に営業部を立ち上げた。日本向けに留まらず海外売りを増やす方針。「特にタイ国内販売を拡大したい」と同社の松岡信人社長は語る。実際、現地の日本食チェーン店にN&N製造品が導入され、徐々に拡大中という。

 タイでは中流層の拡大に伴い、加工食品の市場が急激に広がっている。こうした中、同系列のキングフィッシャー、武田信一郎社長は「BigCやテスコロータスでは簡便調理の冷食“レディトゥイート”が売れ始めている」と着目する。CPグループ系列のメーカーが製造するレディトゥイートがタイの小売店やCVSで圧倒的に目立つ。値段は1食50〜70バーツ(1バーツ3円強)で平均的な1食分(ドリンク除く)予算の35バーツ前後よりも高めだが、売れているという。

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