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今週の一本

●ライバルはコンビニ  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:14/04/29号)

食品スーパーが顧客流出に危機感抱く

西友がこのほど発売した唐揚げも
CVSを意識して価格を抑えた
 コンビニエンスストアで生鮮品の扱いを拡大した“食品スーパー化”が進んでいる。さらにカウンターコーヒーやPB商品がヒットを飛ばし、上位3社は前2月期でいずれも過去最高益を更新した。顧客の流出に危機感を抱く食品スーパーが「ターゲットはコンビニ」と明言するようになり、ライバル意識を強めている。

 前2月期は75億円の営業赤字に終わったダイエーの村井正平社長は「ターゲットはずばりコンビニ。東京近郊のある店の半径1km圏内にはコンビニが12店ある。1店当たり2億1000万〜2億2000万円の売上げとして、12店で23億〜24億円になる。CVSが最大のライバルと見ている。対策の1つとしてデリカを伸ばす。デリカの売上げ構成比はようやく10%弱だが、これを15%に引き上げ、粗利益率を40%にしたい。そうなれば従来のスーパーマーケットとは事業構造が大きく変わる」と期待感を示している。

 西友は惣菜子会社若菜の工場に、対コンビニ戦略として、直巻おにぎり成形機能と焼き機能を加え、今秋中に生野菜の洗浄機を追加する。

 直巻おにぎりはコンビニで人気が高く、関東圏の店舗向けに導入した。おにぎりは一部外注していたが、内製化することでコンビニよりも価格を2割抑えることに成功したという。

 さらに焼き機能を向上させ、インストア加工していた焼き魚や焼き肉商品の生産を工場に集約し、インストアではより手の込んだ商品に人員を割り当てる。

 コンビニが力を入れているサラダを強化するため、秋以降、野菜の洗浄機能を高める。

 今春発売した日本唐揚協会監修の「中津からあげ」(醤油・塩味)もコンビニを意識し、100g当たり税別185円と価格を抑えた。

東急ストアがCVS機能持つ小型店

 東急ストアはコンビニエンスストア機能を併せ持つ小型食品スーパー「フードステーション中延店」を今月、東京都品川区の東急大井町線「中延駅」から徒歩1分の立地に開業した。

 同様の業態は3店目だが、1〜2号店で実験検証を重ねた結果、売場187uと東急ストアの店舗の中では最も小さくした。成功すれば出店候補地の選択肢が広がる。東急ストアは小型店を今後の成長の柱の1つに位置づけ、多店舗化をめざす考え。
 同店の品揃えは3300SKUと、コンビニの平均的な品揃えの2500SKUに比べてやや多い。コンビニとは生鮮・素材ゾーン、特に肉・魚の品揃えで差別化を図り、幅広い客層のニーズに応える。

 インストア加工は惣菜のみに特化し、天ぷらの盛り合わせとバラ売り、天ぷらを使った丼物など温かい状態が好まれるメニューを提供する。それ以外は既存のプロセスセンターを活用する。

 レジ周りではホットスナック、カウンターコーヒー、収納代行などコンビニのサービス機能を追加した。

 社員は1人のみで、パート・アルバイト11名の計12名で運営している。

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