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今週の一本

●値上げ発表相次ぐ  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:14/12/02号)

来春から実施へ

急激な円安に各社「限界超えた」

 冷凍食品の製品価格改定(値上げ)の発表が相次いでいる。最大の理由は急激に進行する円安に伴う原料資材の高騰。これに電気、ガスなどのエネルギーコスト、さらには包材、物流費等の相次ぐ値上げに「自社吸収の限界」に達したため。

 業界トップメーカーの味の素冷凍食品が先行して業務用の値上げを先月4日に発表。引き続き同社が市販用でも10日に発表したことで、他社の値上げ政策が打ち出しやすくなった。

 上げ幅は原料産地、生産工場、原料配合比率などにより各社、製品によっても異なるが、総じて5〜10%の幅が多い。また為替差損が生じやすい海外生産品の上げ幅が比較的大きい。ニチレイフーズの業務用は5〜18%と、ものにより大きな上げ幅を示した。

 バターなど乳製品や小麦粉、油脂等も原料高騰が著しいため、関係食品の値上げ発表が相次いでいる。今年4月の消費増税の影響が収まるのを待たず、来春値上げが相次ぐという昨今の動きが消費者心理に影響することは間違いなく、今月実施される総選挙の結果を間接的にでも左右しそう。

 味の素冷食の市販用は米飯類、麺類を除く60品について、2月1日納品分から出荷価格を約3〜10%値上げする。生産立地や製品設計により、改定幅は異なる。原料事情が比較的安定している米飯と麺は据え置く。

 業務用の対象商品は国内生産品312品(米飯・麺類除く)、海外生産品165品、計477品。国内生産の焼売、餃子、鶏肉加工品、農産品、ハンバーグ、フライ、水産品が約8%アップ。デザート、コロッケは約5%アップ。その他調理品は約5〜8%値上げする。

 海外生産品は焼売、餃子、デザート、鶏肉・豚肉加工品、農産品、水産品、その他調理品で約5%上げる。

 ニチレイフーズは家庭用で2月1日出荷分から約3〜10%、業務用は3月1日出荷分から約5〜18%値上げする。27日発表した。

 テーブルマークは家庭用冷食約120品のうち約40品を2月1日出荷分から、業務用約600品のうち約550品を3月1日出荷分から、ともに約3〜10%値上げする。

 シマダヤはそば粉、デュラム小麦や副原料の澱粉などが急騰しているため、家庭用・業務用冷食と家庭用チルド麺の一部を3月1日納品分から値上げする。

 今週以降さらに各社の値上げ発表が続く見通し。

PB価格に影響必至、通るか新価格

 味の素冷凍食品の今回規模の値上げは1990年以来。ニチレイフーズは07年10月以来。テーブルマークも08年8月以来と久々。

 消費者には、消費増税や電気料金等の引き上げに加えて食品の値上げは生活に関わるだけに歓迎したくない動きであり、業務用でも末端ユーザーの激しい抵抗を予測した問屋筋の懸念表明が出ているが、メーカーにとっては「現在の商品品質を維持し、安定的にお届けするため」の苦渋の決断であるのは間違いない。

 ただ、これまでの値上げとはやや異なり、「やむなし」という受け止め方が早くから広がっている。急激な円安による原価アップは充分に理解できる理由。

 電気、ガス等のエネルギー費はもちろん、顕在化してきた人手不足に伴い、物流に関わる労務費アップも産業界各段階で直面している問題。原油価格の引き下げに伴い、車両燃油料金が下がっているのが数少ないコストダウン要因。

 流通では過去の製品値上げの際、末端顧客に新価格を浸透し切れなかった販売店が利益を軒並み大きく落とした経験もあり、今回は値上げに向き合おうとする受け止め方が見える。

 PBは増える。早くも大手小売店が生産受託先を求め多くのメーカーと協議を始めた模様。業務用でもユーザーの仕入れコストアップ対策に問屋PBを打ち出す動きが強まるのは確実。

 ただ、PBでもコスト高は同じ。既存のPB価格を調整するため、メーカーとの厳しい交渉が始まる。

 家庭用ではIYの5割引き中止など値引き販売の減少や、今回の値上げに伴い「販売数量は減少する」という見方が強い。ただし値引きが減って、値上げ価格が通れば、収益は確保できるという計算が成り立つ。

 全ては値上げ価格がどこまで通るか次第。冷凍食品が今後も健全発展するために通らねばならない課題。

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