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今週の一本

●ロシアで流し網漁禁止法成立  相模活 (週刊水産タイムス:15/07/06号)

北洋サケ・マス漁、今季限り

 ロシアのプーチン大統領は6月29日、同国の排他的経済水域(EEZ)で日本漁船も操業するサケ・マス流し網漁について、2016年1月から禁止する改正法案に署名した。法案成立により、1985年に日本と旧ソ連が締結した漁業協定に基づき行ってきた北洋サケ・マスの流し網漁が、今季限りとなる。日本政府は再三にわたって、ロシアに法案の見直しを強く求めてきただけに、今後の日ロ関係にも影響しそうだ。

道東は影響大、国内は限定的

 ロシアは環境団体からの働きかけを受け、資源保護を理由に流し網漁の禁止に踏み切ったとされる。日ロ漁業協定は破棄せず、サケ・マスの漁獲枠は来年以降も認められるが、最も効率的に漁獲できる流し網漁以外で採算を取るのは難しい。拠点港となってきた道東経済に与える影響は大きく、根室市の試算では約250億円以上の打撃となるもよう。

 2014年の定置網などを含めた国内全体のサケ・マス漁獲量は15万t程度。そのうち、ロシアのEEZでの流し網漁による漁獲量は6400tで、全体の約4%と割合は低い。

 また、国内のサケ・マス消費量は毎年40万t前後で、約6割をノルウェーやチリから輸入している。こうしたことから、国内消費への影響は限定的との見方が大勢だ。

 水産庁は6月に、ロシアのEEZで日本漁船が獲るサケ・マスの2015年の漁獲割当量を、前年比約7割減の1961.75tにすることでロシア側と妥結した。操業期間も前年の2カ月から1カ月に短縮。漁獲割当量の大幅削減と来年からの流し網漁禁止は、関連性があるとみられる。

 林芳正農水大臣は「安倍総理からプーチン大統領に3度にわたり働きかけるなど、ロシア政府や議会に対し流し網漁の存続を訴えてきた。法律が成立したことは極めて残念だ。ロシア水域でのサケ・マス流し網漁は道東地域を中心に、地域経済の中核を担う重要な漁業の一つで影響が懸念されるため、万全の対策を講じる」との談話を1日発表。

政府担当者を北海道に派遣

 菅義偉官房長官は2日午前の記者会見で、「できるだけ早く北海道に政府担当者を派遣して現地の状況を把握するとともに、漁業者の意向も聞いて対応する」と禁漁の影響を最小限に食い止めたい考えを示した。

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