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今週の一本

●水産ニッポンここにあり  井出万寿男 (週刊水産タイムス:16/01/01号)

限りある資源 おいしく大切に
魚食文化を世界へ発信

東京・丸の内にある海鮮居酒屋「築地もったいないプロジェクト魚治」。筑地市場に揚がる魚の中で、大きさが揃っていない、ちょっと傷がついているなど、何らかの理由で売れ残った魚を仕入れる。なかなか手が出ないような高級魚も格安で提供。「鮮度と味は全く問題ありません」と明るく元気いっぱいのスタッフが「安くておいしい魚」を求めて連日、押し寄せる魚ファンたちを迎えている(写真中央が内山正宏社長)
「ハタハタ」の試食会ではずらりと並んだハタハタ料理の前に笑顔の参加者。
禁漁後の漁再開だけに「懐かしい味」との声も
 やはり日本人とサカナは切っても切り離せない。

 一昨年、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されて以来、「和食と言えば、寿司、刺身、天ぷら…何といっても主役はサカナ」(大日本水産会・白須敏朗会長)と、魚への注目度は高まる一方。そんな中、東京・丸の内のど真ん中に一昨年暮れオープンした海鮮居酒屋「築地もったいないプロジェクト魚治」に注目が集まっている。

 外食や居酒屋、量販店が求める規格と違っていたり、ロットが揃っていないというだけで、鮮度や品質に全く問題がなくても最終的に廃棄処分とされてしまう「陽の目を見ない魚」に着目。

 脚の先が取れたカニや、ウロコの一部が剥がれたノドグロなど、味わってみれば全く遜色ないのだが「その量があまりにも多いことに愕然とした」(内山正宏オーナー)。築地の有力仲卸、山治(山ア康弘社長)と連携し、世の中の“もったいない”をおいしく還元している。

 3年間の禁漁によって資源が回復したハタハタも水産業界にとって明るい話題だ。昨年11月に都内で行われたハタハタのシンポジウムでは、試食会でハタハタの塩焼きや煮付け、しょっつる鍋など、ハタハタ料理がフルコースで提供され、参加者は大満足。

 水産の水揚げ日本一の銚子漁港を抱える千葉県銚子市では「魚で地域活性化を」と市や漁業関係者、観光協会、商工会議所が一丸となって取り組む。一方、カニの水揚げ量で日本一を誇る鳥取県では「蟹取県ウェルカニキャンペーン」と銘打ち、平井伸治知事が消費拡大、観光客誘致の先頭に立つ。

 昨年イタリア・ミラノで開催された食の万国博覧会でも、世界的な魚ブームを背景に日本館の人気が群を抜いた。

 魚を大切に、おいしく食べる――世界的な魚食ブームの中で、この魚食文化の原点も、日本は世界に発信していくべきだろう。

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