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今週の一本

●全水卸・伊藤会長、かつてない緊張の新年  井出万寿男 (週刊水産タイムス:16/01/18号)

豊洲市場開業へ「形を整える」

 全国水産卸協会(全水卸)の伊藤裕康会長(中央魚類会長CEO)は14日の年頭会見で築地市場の豊洲移転に触れ、「築地で暮らすようになって56年。かつてない緊張感を持って新年の初荷を迎えた。課題は山積しているが、都民に新鮮で良質な魚をお届けするのが基本。少しでもいい水産流通ができるよう形を整え、11月7日の開業日を迎えたい」と改めて決意を示した。また、「そのためには実質4日間となる引っ越しをいかにスムーズに進めるかが最大の課題。昨年も様々な要望を都に行ってきたが、使用道路(環状2号線)の許可など、都に求めなければならないことも多い」と語った。

豊洲市場への思いを語る伊藤会長

 伊藤会長は卸売市場が抱える問題点について「第10次卸売市場整備基本方針(案)がまとまったが、卸売市場をめぐる状況は平成21年の『あり方研究会』で指摘された内容と変わってない。もう一度、あり方研究会での提言を振り返り、流通に携わる実務者としての立場から今、何を成すべきかを考え直したい」と述べた。
 昨年の卸売市場をめぐる事業環境については「全体的に魚価高で、数量は減ったものの、単価の上昇が売上金額をカバーした。年末商品でもカニ、ホタテ、ウニなど全般的に高騰した」とした一方、「ただ、そうした中にあっても量販店の水産売り場や、鮮魚専門チェーンサイドからは、高額商品が実際はよく売れたとの話も聞いている」と紹介。「今後の中間流通を担う我々の進むべき方向性を探る上で、こうした現実も一つの参考にしたい」との考えを示した。

 また昨年11月、大筋合意に至ったTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)については発効後の水産業界への影響や、それを踏まえた対応が注目されるが、伊藤会長は「現実として水産品は関税障壁よりも為替レートの変動の方が、むしろ影響が大きいという側面もある。ただ、これを機に、国際化の流れが加速するのは確実。輸出の環境が整ってくるわけで、我々水産卸業界もこの流れに取り残されることがあってはならない」と強調した。

 一方、全水卸の活動については「経営に役立つ知識を共有する目的で研修会を開いたが、必要に応じて継続していく。全水卸の内部組織である経営委員会や情報委員会の議論も活発化させたい」と述べた。

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