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今週の一本

●魚臭抑える技術を開発  木村健 (週刊冷食タイムス:16/06/21号)

DHA・EPA市場の拡大加速へ

不二製油グループ本社

 不二製油グループ本社(清水洋史社長)はDHA・EPAの魚臭を大幅に抑える新技術を14日発表した。これまで魚臭のために利用できなかったパン、スイーツ、清涼飲料などの分野にも利用が広がることが期待できる。DHA・EPA商品市場の拡大を加速することになりそう。

 魚臭は酸化によって発生する。油脂の酸化を抑えるには、油に溶けやすい抗酸化成分を混ぜるのが一般的だが、トコフェロールなどの易溶性抗酸化成分は効果が弱く、魚臭を抑えるには十分ではなかった。DHA・EPAの利用はサプリメントが8割で、食品に添加する利用が5%と限定的なのは、この強い魚臭が抑えられないからと考えられている。

 そこで、発想を転換し、油に溶けにくい難溶性抗酸化成分を独自の技術でDHA・EPAに混ぜたところ、酸化に対してきわめて安定した「安定化DHA・EPA」の開発に成功した。成分を数ナノ単位の細かさで油に分散させているため濁りもなく、安定した状態を保つ。

臭いが気にならないから
ドレッシングやハンバーグにも利用できる

 市販のDHA油と比較した同社のテストでは、60℃の条件で2日後の臭気成分が、市販のDHA油に対してわずか1〜3%だった。これは市販DHA油を開封し空気にさらした直後の臭気より弱く、ほとんど感じられないレベル。過酸化物価のテストでも、魚油や大豆油はもちろん、比較的安定的なパーム油より長期間、酸化による劣化レベルが低位安定していた。

 食品メーカーと協業で「安定化DHA・EPA」を使った末端商品を開発し、来春利用商品の発売をめざす。1日の必要量を数種類の末端商品に分散して摂取する販売方法を提案する。

 DHAには認知機能の改善や認知症の発生リスク低下が期待されることから、軽度認知症の高齢者400万人の50%が1日当たり200円のDHA入り最終商品を4品購入するとして、末端市場金額規模は年間5840億円にものぼると、同社は概算を示している。

食品メーカーに紹介、協業提案

 「安定化DHA・EPA」の発表会を14日、都内で開催した。第1部はマスコミを対象に概要を発表した。第2部の「共創フォーラム」には食品メーカーから150名を招いた。冷凍食品メーカーの役員も参加した。

 清水社長は挨拶で「価値を創りだす企業しか生き残れない。当社はおいしさと健康で社会に貢献すると決めた。おいしさと健康は両立しなくてはならない。発表する技術は当社を象徴するもの。新規事業の中核となる」と意気込みを語った。

 試食・試飲も行い「安定化DHA・EPA」を使ったチョコレートやヨーグルトドリンクに魚臭さが感じられないことを参加者が体験した。

 共創フォーラムでは、同社未来創造研究所油脂研究室の加藤真晴リーダーが、「DHA・EPAは消費者庁が2012年に行った食品の機能性評価モデル事業で唯一A評価を得た素材」と期待を語るとともに、工場内で悪臭のコンタミが起きないといった、生産上の利点も紹介した。

 食品メーカーとの共創については「相性の悪い食品があることも突き止めた。粗悪な商品が出回るとDHA・EPA全体のイメージを低下させる恐れがあるので、当社と秘密保持契約ができ、当社の考えを理解していただけるメーカーと共創していきたい」と訴えた。

 「安定化DHA・EPA」は品質保持のために冷凍で供給する。冷凍食品への利用も十分期待できる。

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