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今週の一本

●離島の食材、首都圏に直送  井出万寿男 (週刊水産タイムス:16/07/18号)

長崎県・ヤマト運輸が新プロジェクト

 長崎県とヤマト運輸が連携する「ながさき『しまねこ』プロジェクト」で、五島、壱岐、対馬など長崎離島の食材を扱う首都圏の飲食店が増えている。同プロジェクトに賛同する東京の墨田区観光協会が区内の飲食店に、長崎の食材を紹介する活動に着手。その一環として隅田川の屋形船「船宿釣新」を使って離島食材の試食商談会を12日開催した。墨田区の飲食店を中心に都内の飲食店の経営者、仕入れ担当者、シェフが参加し、離島食材を使った様々な料理を味わった。

墨田区観光協会が全面支援。
隅田川の屋形船で粋な商談会に

高級魚クエやサザエなど

 提供された料理は、高級魚のクエや、刺身ではなかなか口にできないアナゴ、今が旬のサザエなどが乗った船盛をはじめ、イカ一夜干しや岩がきの天ぷら、あじかんぼこ、えそ天など、長崎ならではのメニューがずらり。五島の手延べうどんや、まぐろ丼も並んだ。

 肉厚で甘みが強い五島パプリカの天ぷらにも熱い視線が注がれた。これら長崎離島ならではの料理を、日本の麦焼酎のルーツである産地指定酒の壱岐焼酎、五島の原料と水で作った芋焼酎と麦焼酎が引き立てた。

 商談会では長崎県地域づくり推進課参事の福田三千年氏、ヤマト運輸営業推進部の山口直人氏、墨田区観光協会事務局長の藤田悟氏が挨拶。

 「美しすぎる海女さん」として知られる壱岐島の大川香菜さんもゲスト参加し、「島の恵みはすごい。豊富な魚介類や果物を東京の人にも味わってもらいたいし、島にもぜひ来てほしい」と、長崎離島の食材の魅力をあますことなくPRした。

WEBオーダーも可能なシステム

 長崎県の離島は豊かな農水産資源に恵まれているが、大消費地である首都圏と距離が離れていること、営業面でも多くの費用、時間、労力がかかることが販路拡大のネックとなっていた。

離島の鮮魚を使った船盛

 そこで長崎県とヤマトグループが連携。離島の生産者に代わってマーケティングや営業等を行う取り組みを確立する「ながさき『しまねこ』プロジェクトを今年3月に立ち上げた。

 同プロジェクトは、ヤマトグループ各社の営業システム、集荷システム、決済システムなどを組み合わせ、離島の良質な産品を首都圏の飲食店にスピーディーに届けるもの。ヤマト運輸では「このプロジェクトにより、離島の生産者の生産意欲の醸成に基づく生産力の向上と、取引先の飲食店の高付加価値ビジネスにつなげたい」としている。

 既に首都圏の居酒屋やレストラン、寿司店などに利用されており、さらに簡単・便利にWEBからオーダーできるシステムの準備も整えている。

 現状の流通だと水揚げから首都圏の消費地まで4日間かかるが、このシステムだと2日で着くという。

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