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今週の一本

●冷食協、インバウンドの影響を調査  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:18/04/03号)

飲食店で枝豆・ポテトなどに需要

 日本冷凍食品協会は増加するインバウンド(訪日外国人旅行客)が、飲食店にどのような影響を与えているのか、それが冷凍食品の利用実態とどう結びついているのかを初めて調査し、このほど冊子にまとめた。外国人旅行客には刺身、パスタの人気が高い。冷凍食品は簡単に調理・提供できる枝豆やポテトフライ、鶏唐揚げの需要が増加傾向にある実態が明らかになった。

 来店客に占める外国人旅行客の割合は「2%未満」が52%と最も多く、次いで「2〜5%未満」が17%だった。

 外国人客の割合が高い業態は、鍋、焼き肉・ホルモン・鉄板焼き、中華。和食は「2%未満」が54.7%と最多で、それほど高くない。

 3年前と比べた外国人旅行客の増減に関しては「変わらない」が50%で半数を占め、「増えた」が38%。「減った」は7%と少なかった。

刺身、パスタ、唐揚げなど人気

 人気が高いメニューのトップは、アジア圏の旅行客が刺身、欧米圏の旅行客はパスタだった。唐揚げ、焼き鳥、天ぷら、ステーキ、寿司、パスタ、サラダはアジア圏、欧米圏のいずれにも上位10品に入っており、共通の人気メニューであることが分かった。

 インバウンドを取り込むために考えているメニューについては「特に考えていない」が73%と大多数を占めた。検討しているメニューの中では「エスニック等の各国の地域料理」が39%で最も多かった。次いで「和を意識したメニュー」(13%)、「高級メニュー」(6%)、「ベジタリアン向けメニュー」(同)が続いた。

 インバウンドの増加によって冷凍食品の利用が増えた店では、枝豆、ポテトフライ、鶏の唐揚げなど、簡便、手軽で、急な対応に便利な商品が多い。利用が増えた理由については「ハラール認証の鶏肉、羊肉を取り扱うから」、「簡易的なものでもおいしいものが増えたから」、「揚げ物に興味がある外国人が多い」、「フライドポテトの注文が増えたため」などの意見があった。

 外国人旅行客向けメニューを作る際、具体的にどのような冷凍食品を求めるかについて聞いたところ、農産品では枝豆、水産品ではえび、調理品ではコロッケ、デザート類ではケーキがそれぞれ最も多かった。

ベジタリアンやハラールに関心

 調査はWEBと電話だが、10店舗を訪問面接した。そのうち、東京都港区台場にあるラーメン店では、3年前と比べて売上げが15%増加。外国人旅行客の割合は30%程度と、3年前に比べて20%も増えた。外国人客には中華麺やえびワンタン麺の人気が高い。冷凍食品の利用も多少増加しており、ベジタリアン向けの調理冷凍食品やハラール対応の食材を求めていることが分かった。

 目黒区青葉台にある居酒屋では、3年前に比べて売上げが10%減少したものの、外国人客は2〜3%増加した。東南アジア圏からの客が最も多く、日本国内では栽培できない熱帯地方のフルーツに興味があるという。東京五輪に向けて「和を意識したメニュー」を検討している。

 有効回答はWEBと電話調査が401店。対象は東京、大阪、愛知、京都など、その他を含む10エリア。エリアごとのバランスを補正するためのヒアリング調査を100店に実施したほか、10店を訪問して面接した。調査期間は昨年12月から今年1月末まで。

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