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今週の一本

●商業捕鯨再開へ正念場  栗原浩太 (週刊水産タイムス:18/06/11号)

捕鯨の伝統と食文化を守る会

47年ぶりの日本議長として
固い決意を示す森下氏
 9月にブラジルで開催される国際捕鯨委員会(IWC)総会を前に、超党派の国会議員が呼びかけ人となって第30回「捕鯨の伝統と食文化を守る会」が7日、東京・永田町の憲政記念館で開催された。

 水産資源の持続的利用と求める「捕鯨推進派」と、資源状況にかかわらずクジラを捕獲することを絶対に認めないとする「反捕鯨勢力」のこう着状態は今も続いており、IWCは完全に機能不全に陥っている。

 こうした中、今回の総会は半世紀ぶりに日本の森下丈二コミッショナー(東京海洋大学教授)が議長を務めることもあり、各党の代表からは「IWC改善に向けて一歩も二歩も前進してほしい」との声が相次いだ。自民党の二階俊博幹事長も「今こそ政治が前に出て、捕鯨問題の決着を図るとき。何も恐れることはない。正々堂々と主張しよう」と述べ、出席者を勇気づけた。斎藤健農林水産大臣も「商業捕鯨再開に向けた節目の年になる。あらゆる選択肢、可能性を追求していく」と強い覚悟をにじませた。

森下政府代表「何かが大きく動く時」

 議長を務める森下コミッショナーは「何かが大きく動くときにはいろいろな波が1カ所に集まる。今年は6年に1回の先住民捕鯨捕獲枠の更新の年。米国は捕鯨国でありながらも反捕鯨政策をとるという矛盾を抱えている。IWC自体も国際機関として正しく機能しているかどうかの評価を受けなければならない。財政面でも厳しい状況下にある」と今の捕鯨情勢を説明した。

 その上で「議長一人で何もかもできるわけでないが、過去の事例を見るとき、議長の影響は決して小さくない。何らかの変化をもたらす今回の総会にしたい」と並々ならぬ決意を語った。

 乾杯の音頭を取った小泉武夫東京農業大学名誉教授は「このところイカもサンマもサケもすっかり獲れなくなっているが、クジラは獲りにいけば海にいる。クジラを獲りにいきましょう」と呼び掛けた。

 会場には刺身やステーキ、ベーコン、煮物などの鯨料理が並んだほか、全国のクジラ料理店から、東京・渋谷の元祖くじら屋は竜田揚げ、駒形どぜうは鯨めし、鯨の登美粋は鯨茶漬け、大阪の徳家はハリハリうどんなどが提供された。

 捕鯨問題をめぐっては、昨年6月、「商業捕鯨の実施等に関する鯨類科学調査の実施に関する法律(鯨類科学調査実施法)」が公布・施行された。鯨類科学調査の実施を国の責務と位置づけ、商業捕鯨再開を目的とすることを改めて明示されている。

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