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今週の一本

●NPFC、サンマ資源管理へ一歩前進  栗原浩太 (週刊水産タイムス:18/07/09号)

日本の主張に支持国増える

 漁業資源の持続可能な利用に向けた北太平洋漁業委員会(NPFC)の第4回年次会合が5日終了した。日本が提案した公海域に限ったサンマ漁獲可能量の配分設定は合意に至らなかったものの、来年3月実施予定の科学委員会による資源評価をもとに管理措置を行うという、一つの道筋が立った。

 中国は、日本が提案した公海域の漁獲数量規制に対し「NPFC科学委員会で資源評価が合意されていないため規制が必要か判断できない」と反対した。中国は昨年、サバ資源はこれまで状況が悪化したことなく規制の必要はないと主張した。資源評価はこれまで日本と台湾、中国が実施したが、算出した資源量に大きな開きがあった。

 NPFC科学委員会は来年3月に資源評価を実施予定。この評価に合意することが今回の会合で決定した。

 資源評価で規制が必要であると判断されれば来年7月の年次会合で数量規制が合意される可能性は高い。科学委員会は11月に会合を開き、資源評価の方法、判断基準などを協議する。

 また、サンマの洋上投棄禁止、小型魚の漁獲抑制の奨励も現行の資源管理措置に追加されることとなった。会合に参加した水産庁の神谷崇資源管理部長は「日本の主張を支持する国も増え、漁獲量規制に向け大きく前進した」と報告した。

 サバ類は資源管理措置を導入する前提となる資源評価の進捗について議論し、資源評価を迅速かつ確実に実施することを確認した。

 底魚類は天皇海山海域におけるクサカリツボダイについて、当面は漁獲を抑制しつつ、モニタリングにより資源状況が良好と判明した時点で漁獲の増加を認めるなどの資源管理措置を導入する。IUU(違法・無報告・無規制)漁業対策は公海乗船検査制度の実施規則を策定した。

長谷長官もサンマ資源の動向に言及

業界内外から注目されたNPFC年次会議

 長谷成人水産庁長官は冒頭挨拶で国内のサンマ資源について言及。

 「昨年、日本のサンマ漁獲は記録的な不漁となった。サンマは日本の国民魚とも呼べる存在であり国民全体で資源悪化を懸念している。また、サンマが水揚げされる主な港は北海道から三陸・常磐に位置し、それらの地域は東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた地域でもある。振興を着実に続けていくためにもサンマ資源は重要である」とし、各国に資源管理の徹底を求めた。

 その上で、「今年4月のNPFC科学委員会ではサンマ資源評価について統一した見解は得られなかったが、各国の漁獲量は軒並み減少し世界全体の資源も国内同様に下落傾向にあると思われる。早急に適切な資源管理措置を導入してほしい」と語った。

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