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今週の一本

●北海道胆振東部地震、停電復旧で徐々に操業再開   (週刊冷食タイムス:18/09/11号)

配送の遅延・停止は一部残る

 6日未明、北海道胆振地方中東部を震源とする大地震が発生、徐々に被害状況が明らかになった。冷凍食品関連のメーカー、卸、物流への影響は、地域差があるものの「物的・人的な被害報告は入っていない。しかし停電に伴い工場の稼働がストップ。非常電源で冷凍冷蔵庫の在庫はキープしているが、物流も混乱しており、予断を許さない」という内容が大勢を占めた。ただし地震後に迎えた週末の土日曜には電力が徐々に回復し、操業を再開する動きも出始めた。それでもライフラインの復旧が最優先であることに変わりはない。

従業員は自宅待機も

 北海道には冷凍野菜や調理冷凍食品工場が多くあるが、6日午前現在、パイオニアフーズ(虻田郡京極町)、びえいフーズ(上川郡美瑛町)、クレードル興産(喜茂別工場、伊達工場、三川工場)などから、直接被害を受けたという情報は入っていない。

 サンマルコ食品は一時生産が止まったものの、すでに全工場とも稼働している。

 工場などの建物や人的被害は報告されていないものの、各地で発生している停電の影響で関係者からの情報が錯綜している部分もある。確認できた工場はいずれも停電の影響で操業停止状態。揺れの大きかった地域では「社員を自宅待機としている」ところが少なくない。在庫を抱える会社は「当分は非常用電源(自家発電)で品質はキープできるが、回復のめどが立つまで安心はできない」という。

 ケンコーマヨネーズは「札幌支店と連絡は取れている。現在、現地工場の状況を調べている」、横浜冷凍は「北海道ブロックの全拠点の設備に問題は出ていない。社員の安否確認もとれている」といずれも6日午前に説明した。

 ニチレイロジグループ本社は「北海道の全事業所は停電中であり、状況を把握できていない部分はあるが、従業員らにケガ等の情報はない。蔵は温度保持のために閉め切っている。安全確認が取れ次第、営業再開する」と6日午前コメントした。

 週明け後も工場の操業を停止しているところが多くある。従業員を自宅待機としている企業は「操業がいつになるか、まだまだ見通しがつかない」という企業が少なくない。

 道内物流も回復に向かってはいるが「都市部はともかく、地方は道路が分断している箇所があり、配送の遅延・停止は週明け10日現在も残っている」という企業が大部分を占めている。

台風21号で被害、農産品減産も

 台風21号の暴風雨の影響について不二製油グループ本社は、子会社の不二製油轄纉事業所の一部生産工場と近隣の委託倉庫部が被災したと5日発表した。「一部工場建屋の損壊および保管している商品の一部に水濡れ等の被害が生じている」という。

 ノースイ食品(大阪市此花区)は「大型の台風21号接近のため4日の工場操業は停止し、(その分の製造は)8日土曜日に振り替えた」(ノースイ)ため、人的被害はなく、工場も無事だったという。

 北海道は台風の直接被害の他に、6月下旬から7月初旬にかけて日照不足、低温、降水量が多く、農産物の生育が停滞し、その後も不安定な天候が続き、これまで作柄は悪かった。

 これに6日未明に発生した北海道胆振東部地震の影響による大規模停電で、工場の操業が総じて停止。物流の混乱で数日間は出荷不能な事態が続いたところがほとんど。週末7日頃から停電が解消し始めたことから、工場の操業を再開したところもある。

 ただし10日現在「停電は解消したものの、操業・出荷・再開の目途はたっていない」とする企業もある。

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