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今週の一本

●福島県の漁業 進まぬ復興  松田陽平 (週刊水産タイムス:21/03/08号)

水揚げは震災前の2割弱

水産庁作成資料より
 水産業に甚大な被害を与えた東日本大震災から10年が経過するが、試験操業を実施している福島県の漁業の復興は遅れている。2020年の福島県の水揚量は4533t(速報値)で、東日本大震災前(2010年2万5914t)の17.5%と少なく、水揚量の増加が最大の課題となっている。
 震災直後、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、県内の漁協がすべての沿岸漁業と底びき網漁業の操業を自粛。2012年6月から、放射性物質の値が低い魚種の試験操業・販売を開始した。その後、漁業種類や対象魚種・海域を順次拡大し、2020年2月からはすべての魚種で試験操業を実施している。
 20年9月から、相馬双葉地区では「がんばる漁業復興支援事業」を活用し、沖合底びき網漁業の水揚量回復をめざした取り組みを開始。5年後に震災前の5割以上の水揚げをめざすこととしている。
「福島鮮魚便」を設置
 福島県漁連では、操業日数や操業時間の増加による水揚量の拡大を図ると同時に、販路拡大や風評払拭のための情報発信などに取り組んでいる。
 販路拡大については、福島県水産物競争力強化支援事業を活用し、「福島鮮魚便」の設置や「ふくしま常磐ものフェア」実施などに取り組み、福島産水産物の安全安心とおいしさなどをアピールしている。
 令和2年度は「福島鮮魚便」を東京や埼玉の大型量販店13店舗に設置。「ふくしま常磐ものフェア」を5回(のべ141店舗)開催した。
 コロナ禍に対応して、福島県産の水産物を使ったおいしい魚介料理をデリバリーとテイクアウトで味わえる「第1回ジャパンフィッシャーマンズフェスティバル 発見!ふくしまお魚まつりbyデリバリー&テイクアウト」を昨年11月に初開催した。準備した約1万食を完売するほど大盛況だった。

今月第2回を開催

 今月18〜22日には第2回が開催される。期間限定店舗を新橋、新宿、浅草橋の3カ所に開設し、常磐ものを使ったメニューをデリバリー&テイクアウトで提供する。
 「うに貝焼き かにみそ飯弁当」「福島牛のカニまみれウニソース丼」「ほっきのわっぱ飯」に加え、新たに幻のブドウエビや、鮮度抜群の生シラウオ、阿武隈川の清流で育てられたメイプルサーモンを使ったメニューを用意する。販売食数も大幅に増やし約1.8万食を提供する予定。

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