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今週の一本

●大塚食品「ゼロミート」 外食で広がり冷食でも  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:22/11/22号)

提供カ所が1年で3倍増

採用が広がっている冷凍の「餃子」
 大塚食品はスターゼンと共同開発した大豆ミートに「ゼロミート」ブランドを冠して2018年市場参入した。第1弾は市販用チルド品。その後、冷凍タイプの業務用で外食、中食ルートを開拓、今年から市販用冷凍カテゴリーにラインナップを広げた。昨年5月から今年5月までの1年間で、市販用・業務用「ゼロミート」の提供カ所を指すタッチポイントが関東圏で3倍以上に増えた。
 業務用は20年3月に発売し、現在のアイテムはハンバーグ(生タイプ含む)、ソーセージタイプ、ハムタイプ。その後、市販用とともに動物性原材料不使用に大きく仕様を変更したほか、食感や味の改良を重ねてきた。
 ファミリーレストランの「デニーズ」は業務用のゼロミートハンバーグを使ったメニューを期間限定で一部店舗に採用していたが、全店のグランドメニューに切り替えている。今年9月からは、プラス50円で肉を使った一部ハンバーグメニューを「ゼロミート」に変更できるようにした。
 (株)ポポラマーマは「ゆであげ生パスタ専門店ポポラマーマ」全89店のグランドメニューに業務用のゼロミートハンバーグを採用、ベジパスタとして提供している。
 スーパーの惣菜売場ではロコモコ丼などに採用が広がった。コンビニでは、(株)沖縄ファミリーマートがバーガーやサンドに使い、県内の店舗で期間限定販売した。
 外食店のメニューや惣菜売場のパッケージには「ゼロミート」のロゴマークを表記してブランドの認知度を高め、市販用製品の購買につなげる相乗効果をねらっている。
 今年8月に発売した市販用冷凍カテゴリーは「鉄板焼きハンバーグ」2品と餃子の計3品。ハンバーグはアレンジしやすいようにソースで味付けしていない。餃子は10個入りで店頭想定売価468円ながら、餃子コーナーや健康志向製品を集めたコーナーで採用が広がっており、同社は「餃子と冷凍カテゴリーは親和性が高いと改めて感じた」と語っている。

大豆ミートのまんが本共同制作

昨年末刊行した「大豆ミートのひみつ」を小学校などに寄贈した
 大塚食品は独自調査した結果、大豆ミートの知名度自体は高まってきているものの、実際にはどんなものか、どこで購入できるのか、まだ啓発活動が必要と判断し、(株)学研プラス(現(株)Gakken)と「まんがでよくわかる」シリーズの177巻「大豆ミートのひみつ」を共同制作し、昨年末刊行した。図や解説記事などを通じて大豆ミートについてくわしく説明している。菊判(150mm×220mm)127ページ、ハードカバー。
 非売品で、全国の小学校約2万校と公立図書館約3200館、児童館約800館に寄贈した。
 小学校ではSDGsについての授業があり、児童のSDGs学習を支援する教材が求められている。そこで、まんが本を活用して「プラントベースで学ぶSDGs」と題したデジタル教材も制作し、無償提供した。
 17ある目標のうち、「飢餓をゼロに」、「すべての人に健康と福祉を」、「気候変動に具体的な対策を」について、大豆ミートを具体例にしてSDGsとプラントベースフードの関係をクイズ形式で解説している。なぜ大豆ミートが必要なのか、楽しみながら理解を深めてもらうのがねらい。
 大塚食品の社員が小学校に出前授業をする取り組みも開始した。大豆ミートを使った惣菜を児童と一緒になって考える機会を設けている。

アニメキャラクターPRに起用

 さらに一歩進んだ取り組みとして、「ゼロミート」のPRに「ドラえもん」をはじめとした藤子・F・不二雄キャラクターを起用した。
 神奈川県にある「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」のカフェでは、業務用のゼロミートハンバーグを使った「野菜たっぷりドラモコプレート」(税込み1800円)を提供している。「とおりぬけフープdeドラらぁめん」(1300円)にはゼロミートハムタイプをトッピングしている。
 ドラえもんを中心としたキャラクターを使ったPOPや静電シールでスーパーの売場を演出している。
 「キャラクターの起用は、親子に新しい食文化をわかりやすく理解してもらうため。『食べるだけで、未来にいいコト!』というメインメッセージを伝えたい」(同社)という。

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