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今週の一本

●人気沸騰「くじらストア」 横浜元町に3店目  井出万寿男 (週刊水産タイムス:23/01/30号)

24時間購入可能な無人店舗

先行店が絶好調、
店舗の前で笑顔の所社長
 秋田県でクマ肉が買える自動販売機がお目見えするなど、冷凍食品を扱う無人店舗が脚光を浴びる中、捕鯨会社の共同船舶(東京都中央区、所英樹社長)は、鯨肉製品の24時間無人販売店で3店目となる「くじらストア横浜元町店」を横浜市中区に1月24日オープンした。初日から鯨の刺身やベーコンを求めて、大勢の人が詰め掛けた。
 マグロでいえば「トロ」、牛肉なら「霜降り」に当たるクジラ最高部位の「尾の身」の刺身をはじめ、竜田揚げやステーキ、ベーコンなどがいつでも購入できる。缶詰・びん詰などの常温品も揃えている。
 都内では糀谷店と大井町店を1月12日にオープンした。横浜元町店のオープンを待ちきれず横浜から来店し、2万円分を購入した人や、築地でクジラが買えずに糀谷まで駆けつけた熱烈なファンもいた。現在も一部の商品は補充が間に合わないほどの盛況ぶりを見せている。
 「鯨料理を食べたいが、どこで売っているのか分からないといった声に応えた。日本でも指折りのハイセンスな町・横浜元町で、海のSDGs(持続可能な開発目標)に貢献する誇り高き消費者に、こだわりの鯨製品をお届けすることができる」と所社長は満足げに語った。

くじらのステーキや竜田揚げも買える
抽選で「究極のクジラ料理」に招待

 オープンを記念し、横浜元町店で3000円の冷凍商品を購入した人に抽選で、イタリアンの巨匠「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフが作る「究極のクジラ料理」フルコースディナーに10組20名を招待する。当選者には購入商品の中に招待チケットが同封されている。 

クジラを食べて海の生態系守る

 クジラは1日当たり体重のおよそ4%の量のエサを食べている。日本鯨類研究所の試算によれば、世界中の海で鯨類が1年間に捕食するエサの総量は、約2億8000万t〜5億2000万tに上り、人類の年間漁獲量(約9000万t)の3〜6倍に達する。
 クジラのエサの中には、マグロなど他の魚のエサとなる小魚も含まれ、「海の食物連鎖の頂点に君臨するクジラだけをこのまま放置していては、海洋生態系のバランスが崩れてしまう恐れがある」(所社長)。
 近年、サンマやスルメイカといった馴染みのある水産物の水揚げが減少傾向にある一方で、クジラの胃袋からは大量のサンマやスルメイカが確認されている。
 所社長は「クジラを食べることで、その分のエサになるはずだった水産資源を人間が利用できることになり、同時に海洋生態系のバランスを守ることによって海の豊かさを守ることにつながる」と、鯨食文化の普及を呼び掛けている。
 「くじらストア」で販売している主な商品と価格は次の通り。
 【冷凍品】尾身(尾の身)、赤肉(赤身)各3000円、鯨竜田揚げ、鯨ベーコン切り落とし、本皮、長須鯨ステーキ(醤油・味噌)各1000円
 【常温品】くじラー油1000円、鯨缶詰セット1000〜3000円
 長須鯨須の子大和煮、須の子大和煮、くじらのアヒージョ、やわらか鯨カルビ、鯨大和煮、鯨の旨煮醤油味、鯨のすじ煮もある。
 ※冷凍品は保冷バック(保冷剤付)入り、流水解凍で食べられる

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