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今週の一本

●チルドから冷食に参入  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:23/02/28号)

培ったノウハウに自信あり

日本アクセスの展示会で紹介した
シノブフーズの冷凍弁当
 コロナ禍は4年目に入ったが、異業種から冷凍食品市場に参入する動きが衰えない。それどころか、活発になっている。中でもチルド温度帯を主戦場にしている中食・惣菜メーカーがこれまで培ってきた製造ノウハウを引っ提げ、自信を持って市場に進出している点が目を引く。
 中食惣菜メーカー大手のシノブフーズ(株)(大阪市)は日本アクセスと協業し、一食完結型のワンプレート商品「お総菜屋さんがつくる冷凍弁当」を今月27日発売した。「2種そぼろとタルタルチキン南蛮」、「えびピラフ&2種チーズのデミグラスハンバーグ」、「牛焼肉弁当」の3品。
 女性をメインターゲットにしており、1食当たり260〜330g。想定価格は税抜き398円と価格競争力が高い。日本アクセスが今年1月に開催した展示会でも大々的に紹介した。
 同社は中食事業で約半世紀の知識と経験、蓄積してきたデータを活かした商品作りが強みという。工場は全国に8カ所あり、1日平均117万食を生産する。
 今年2月から冷凍事業を開始すると公表した(株)Shinmei Delica(京都府)は炊飯米、米飯加工品を得意とする中食メーカー。ごはんを冷凍すると品質が劣化して「おいしくない」ことから冷凍化を見送っていたが、解凍後も炊き立てのごはんとそん色ない「再現性」に関する炊飯技術に一定の方向性を確立したことで参入を決めた。

冷凍専業ではないのが強み

 炊飯設備はAIHO製。冷凍設備はタカハシガリレイのパネル式バッチタイプを使用する。同社によると、冷凍弁当の製造からリパック業務まで多種多様の事業を展開する予定で、24年3月までに5千万円の売上げを見込んでいるという。
 「既存事業で得たノウハウ、設備を存分に活かしつつ、『冷凍専業ではない』ことを強みに小回りが利く事業を営む」(同社)とコメントしている。
 双日ロイヤルインフライトケイタイリング(株)(大阪府)は72年の歴史を持つ国内最古の機内食会社。納入している航空会社は国内外約50社。これまでチルドの機内食を製造していたが、コロナ禍でフライトが激減したのを機に冷凍機内食の生産、一般販売を手掛けるようになった。
 機内食シェフが監修した「旅ごはん」シリーズで「米州」、「欧州」、「アジアリゾート」と世界各国のメニューを再現できる豊富なレシピが強み。グループ会社の資産を活用した動物性食材不使用の「ニクベジ」シリーズも手掛けている。
 変わり種では、惣菜メーカー、フジッコ(株)の大豆を主原料にした、米のように食べられる新主食「ダイズライス」。2021年1月に冷凍品の試作品を完成させ、クラウドファンディングを通じて利用者の声を集めた。昨年11月に「五目チャーハン」と「カレーピラフ」を追加した。
 1食(150g)当たりのたん白質26g、糖質6.6gと米に比べて87%オフ。糖質制限やダイエットをしている人が主に支持しているという。
 15〜17日に千葉市で開催された展示会「スーパーマーケット・トレードショー」では、遠くからでも認識できるほどダイズライスを山盛りにして多くの来場者の関心を集めた。

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