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今週の一本

●生協の冷食宅配 昨年度も高い支持  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:23/04/18号)

値上げで低価格品にシフト

 有力生協・事業連合の宅配事業における冷凍食品供給高(売上高、以下同)はコロナ禍以降、高い支持を維持して2022年度も前年並みか前年実績を上回った。米飯・麺類の主食系がけん引した。20〜21年度とは異なり、昨年度は値上げによる利用点数の低下というマイナス要因があったが、低価格商品にシフトしてカバーした。紙代の高騰でカタログのページ数削減まで言及しているのは珍しく、インフレを象徴している。

 パルシステム連合会(本部東京都)は冷凍菓子、アイス、新規PBを中心に上乗せして2.3%増309億3779万円と前年実績を上回った。今年度の売上高は最低でも前年同(100%)が目標。「相次ぐ値上げの中で、商品を磨き上げ、利用点数の維持・向上をめざす」(パルシステム)。
 コープきんき事業連合(本部大阪市)は5.9%減187億5602万円と前年実績を下回ったが、会員生協のシステムトラブルの影響を除くと0.2%減と前年並み。単品の売上げ1位はコープ商品「九州のカットほうれん草」。コロッケ、えびフライ、ハンバーグなどの洋風惣菜と、たこ焼き・お好み焼きといった和風スナックが伸長した。今年度の売上高は前年並みを計画している。
 コープCSネット(本部広島市)の中国地方5生協分はスナック、冷凍麺が伸びて0.3%減116億698万円と前年並みをキープした。グラタン・ドリアが7.1%増、スパゲティが9.7%増。スパゲティは値上げ後も本体価格200円以下の商品が支持を得た。
 今年度は前年並みを計画。ロングセラー商品による周年セールや均一セール、「年間最安値価格」企画を追加する一方、ミールキットや即食惣菜など時短商品の品揃えを増やす。「調理動画」を作成し、2次元バーコードをカタログ紙面に掲載して若年層の利用を促す。
 コープ九州事業連合(本部福岡県)は米飯、冷凍麺、主食スナックがけん引して4.4%増103億2690万円と伸長した。値上げで利用点数が減少したが、積極的に低価格商品を導入して支持を得た。今年度は米飯、麺類を重点カテゴリーに位置づけ、3%増を見込む。
 コープこうべ(本部神戸市)は冷凍食品の品揃えを広げ、これまで取り組めなかったカテゴリーや主力カテゴリーの品揃えの幅を広げて6.7%増と大きく伸ばした。チャーハン、弁当、麺類が好調だった。
 昨年度はSKU数の拡大で単品効率が低下したため、「今年度は改善を図る必要がある」(コープこうべ)。
 各生協・事業連合の売上げ上位5品は表の通り(金額ベース)。

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