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今週の一本

●マルハニチロ 介護食事業で中国進出  後藤美緒 (週刊水産タイムス:23/05/29号)

現地での生産・販売を本格化 「介護良品」展開

 マルハニチロ(東京都江東区、池見賢社長)は介護食事業で中国に本格進出することを22日発表した。現地グループ企業、パートナー企業と協業し、中国国内で生産体制を確立。すでに病院医療向けの販売を開始している。6月からはシルバーサービス関連施設への販売をスタートする。

説明する濱崎部長
「介護良品」の「サーモンの塩焼き」
 同社は中期経営計画で加工食品の海外展開を成長戦略の大きな軸として掲げ、介護食品事業においてもアジアを中心に市場開拓を模索してきた。今回の中国本格進出について食品流通ユニットメディケア・コントラクト営業部の濱崎日出男部長は「中国の有力な医療関係のパートナーと手を組むことで、中国で介護食品事業を展開することに大きな可能性があるとの判断に至った」と説明した。
 中国における65歳以上の人口は、2021年末時点で中国全人口の14.2%に当たる約2億人に上り、2035年には60歳以上の人口が4億人を超える見通しだという。
 一方、中国では「介護食」という概念が浸透しておらず、咀嚼や嚥下機能が低下した高齢者に対し、日本のような介護食を提供する病院医療施設は少ない。在宅介護向け商品のラインアップも限られ、今後、高齢者向け食品市場の急成長が期待される。
 中国での生産・販売体制は、部署横断型の新しい事業スキームとなる。マルハニチロの商品開発と技術指導のもと、山東省のグループ企業と協力企業が生産。マルハ上海が販売企画・管理・販促支援を行い、代理店を通して@医療関連AシルバーサービスBリテール――の3ルートへ販売する。
 濱崎部長は「日本で培った知見やノウハウを現地パートナーと共有しながら、ともに社会に貢献できるような事業にしていきたい」と展望した。

「介護良品」、在宅 向けも順次展開

 商品名は「介護良品」。日本国内で展開している同社の「メディケア食品」に相当。UDF(ユニバーサルデザインフード)の物性基準に準拠しながら中国でも展開する。
 病院医療向けに「サーモンの塩焼き」や「酢豚」などのムース食を全24種、シルバーサービス向けに「お粥ゼリーと蒸し鶏のごまソース」など14種をそろえた。いずれも冷凍。メニューや味付けは上海を中心に嗜好をリサーチして検討した。在宅向けも順次試験販売に着手する。
 同社の日本国内の介護食事業は前3月期が64億6200万円。中国市場では今後5〜6年で日本の事業規模に追いつくことをめざし、取り組みを加速させていく。

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