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今週の一本

●マルハニチロの豪州子会社 新船建造で事業安定化へ  松田陽平 (週刊水産タイムス:23/09/18号)

メロでグループに貢献

オーストラル・オデッセイ号の
完成予想図
AF社のメロの加工品
 マルハニチロ(東京都江東区、池見賢社長)は11日、豪州の連結子会社オーストラル・フィッシャリーズ社(豪州パース市、AF社)が新船を建造することを発表した。取得価額は約60億円。2026年4月操業を開始する予定。
 AF社は資源管理が厳格な豪州の排他的経済水域内の漁獲枠を保有し、メロやエビ、スナッパーなどを漁獲している漁業会社。漁獲物の中でもメロは脂乗りの良い白身魚として知られ、主に米国や中国などで高級魚として取り引きされている。
 同社はCCAMLR(南極海洋生物資源保存委員会)と豪州当局の管理の下、Heard Island&McDonald Island(HIMI)海域で主にメロのはえ縄漁を操業し、同国の保有するHIMI海域におけるメロ漁獲枠の約70%を保有。同社はメロを中心とした操業で安定的な利益を上げており、マルハニチログループの収益に大きく貢献している。今後も長期的に事業を安定化させるため、新船の建造を決めた。
 新船の名称は「オーストラル・オデッセイ号」。国際総トン数2985トン(想定)。全長約69m、幅約15m、深さ約6m。定員は約30名。
 2024年1月建造開始し、25年12月終了。進水は26年1月を予定。
 ディーゼルエンジンとバッテリーを組み合わせたハイブリッド推進システムを導入し、操業ピーク時の動力負荷を軽減。メインエンジンに2段変速ギア可変速機能を備えることで、CO2排出量の削減とさらなる燃費向上を期待している。また、ムーンプール(船底に開けられた円形の穴)を設置し、海鳥の捕獲リスクを軽減し、乗組員の安全性向上を図っている。
 船内の加工スペースを増設し、凍結・保管能力を向上することで、高付加価値製品の供給量を拡大できる。
 現行船より漁船を大型化し、魚倉や燃油タンクの容量を増やすことで、航海数を減らし、出入港による操業ロスを最小化する。

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