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今週の一本

●極洋が調達資源を調査  松田陽平 (週刊水産タイムス:23/11/06号)

重量は約52万t 8割が「資源心配なし」

 極洋(東京都港区、井上誠社長)は、同社と国内外のグループ会社18社(国内13社・海外5社)が2020年度に調達した水産物の資源状態を調査し、その結果を10月31日公表した。
 天然水産物の過剰漁獲が年々進行する中、同社グループでは「水産物の持続可能性」について、「中長期的な事業のリスクと機会に関わる重要な要因」と考え、自社グループの調達状況を認識するとともに、課題を把握し、その課題に対して適切な対応をとることを目的に資源調査を実施した。
 同社とグループ会社が2020年度に調達した水産物の重量は約52万t(原魚換算)で、そのうち「天然」が42.6万t(82%)、「養殖」が9.4万t(18%)となった。取り扱い魚種は約190種、原産国数は41カ国。天然水産物(42.6万t)のうち、「資源状態に心配なし」が78%(33.2万t)、「資源状態に心配あり」が6%(2.4万t)、「データ不十分」が16%(7.0万t)という結果になった。
 「資源状態心配なし」(33.2万t)のうち、SFP(Sustainable Fisheries Partnership)のデータベースで判明したものが57%(18.8万t)、国・地域の漁業管理機関で判断したものが23%(7.8万t)、MSCなど認証水産物が20%(6.6万t)を占めた。
 同社は調査結果を受けた今後の対応として「資源状態に心配なし」については「認証水産物の取扱いを増やす」「資源状態に心配あり」「データ不十分」については、地域及び魚種のリスクアセスメントを行う。具体的な対策として、該当するサプライヤーとの対話を通してトレーサビリティの強化を図る方針。該当地域の魚種に関しては、漁業機関などの情報を継続的に確認するとともに、監督官庁の方針に沿った対応を行っていく。
 同社は「グループ全体で情報を共有し、調査結果を認識するとともに、調達基本方針やサプライヤーガイドラインに則り、生物多様性と生態系の保全、持続可能な水産資源の利用に配慮した事業活動を徹底する。また、水産物資源調査を定期的に実施し、PDCAサイクルに沿って改善を図る」としている。

GSSI参画、資源の持続的利用へ

 極洋(東京都港区、井上誠社長)は、「世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI‥Global Sustainable Seafood Initiative)」に参画したことを10月30日発表した。
 GSSIは、世界の水産関連企業や小売業など水産物のバリューチェーンを担う企業、NGO、政府や政府間組織が参加する、持続可能な水産物の普及というビジョンに向けて取り組む非営利組織。
 国連食糧農業機関(FAO)の水産業関連ガイドラインに基づき認証水産物の信頼性を担保し、グローバルな視点で水産物のサステナビリティ(持続可能性)に関する改善の取り組みを推進している。
 同社は2006年に持続可能な漁業として認証された水産物の取扱いを開始し、その調達を通じて、生物多様性や生態系の保全、安心・安全な食品の提供に努めてきた。
 GSSIに参画することで、グローバルに事業を展開し水産資源の持続的利用を推進する企業として、GSSIの活動を支援していく。また、GSSIに参画する企業や団体をはじめ、国内外の様々なステークホルダーと連携して、持続可能な水産物の普及を推進していく方針。

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