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今週の一本

●赤潮を消滅させる寄生生物の培養に成功  金村詩恩 (週刊水産タイムス:26/01/26号)

東北大が研究 実用化に期待高まる

赤潮プランクトン(左)と寄生生物により
赤潮プランクトンが消滅したフラスコ
 東北大学大学院農学研究科の西谷豪准教授らの研究グループは赤潮の原因となるプランクトン「カレニア・ミキモトイ」を殺藻する生物を発見し、この生物の単離・培養に成功したことを16日発表した。研究成果は国際誌「Communications biology」で昨年12月9日公開した。
 カレニア・ミキモトイは遊泳性を持った植物プランクトン。西日本で春から夏に赤潮を発生させる原因となっている。近年では、秋に東北や北海道沿岸で赤潮を形成する事例が発生しており、温暖化に伴う分布域の拡大が懸念されている。
 同研究グループは2020年に大阪湾で寄生型渦鞭毛藻を世界で初めて発見。同生物は赤潮プランクトンに寄生するが、珪藻など無害なプランクトンには寄生しないため、漁業活動に害をもたらす赤潮プランクトンだけを選択的に消滅させることができる。
 西谷准教授らの研究室では発見から5年以上にわたり寄生生物の安定的な維持・管理に成功している。
 この寄生生物が赤潮プランクトンに与える影響について室内培養実験を行ったところ、寄生生物を添加した場合には、赤潮プランクトンの密度が大幅に抑えられた。この結果から、同生物の存在が実際の海域でも赤潮プランクトンの密度減少に大きく影響している可能性が示された。今後、寄生が発生しやすい環境条件を解明することで、赤潮の発生と収束時期の予測、赤潮プランクトンの防除方法の開発への応用が期待できる。

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