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今週の一本

●中国で深刻な雇用難     編集委員:佐藤巳喜夫 
(週刊冷食タイムス:05/11/29号)

日本の機械メーカーは中国に進出せよ

中国で「人手不足」が顕在化し、冷凍食品業界の大きな問題になってきた。十三億人もの人口を抱える中国でいまなぜ「人手不足」なのか?

 冷凍食品工場が集中する中国沿岸部は「世界の工場」と言われるほど活発な地域になった。それが短期間に進んだことが日系冷食工場の雇用環境を一気に変えてしまった。

 マスク、ネット、帽子、白衣、ゴム手袋、長靴。消毒を繰り返し、トイレにいくのも戻るのも衛生手順がやかましいのが冷凍食品。もはや冷食工場は嫌われる“3K”職種に位置付けられ、地方出身の若い従業員は簡単に転職するようになった。雇用を確保するため、給与が上昇している。いま女子従業員の平均月収は九百元から千元(一万五千円前後)に急騰。それでも集まらない。

 一人っ子政策で二十歳前後が少ないのに加え、子供を大事に育てるため、大学進学率が高まった結果、「大学を出た子供が帰ってきても工場のワーカーになることはない」。

 中国の経済発展は内陸部にもおよんで所得が向上し、沿岸部まで出かけなくとも生活が成り立つ社会になった。

 そこで中国の冷食工場は機械化自動化を進めようとしているが、実態は進んでいない。多くの工場は日本の機械を望んでいるが、メンテナンス(補修)体制が整っていないため同等の中国製機械を使う。しかし、性能の差は明らか。

 フォロー体制が整備されれば導入は間違いなく進む。検査機器のアンリツは中国の冷食工場導入率90%以上だが、性能が優れていることに加え、フォロー体制を多くの工場関係者が指摘する。アンリツは中国の主要都市に多くの営業拠点を設け「二時間半で工場まで駆けつけてくれる」。

 日本で大型冷凍食品工場の新増設工事が今後多くは望めないいま、日本の機械メーカーは中国に進出した方が大きな仕事ができる。関税や法制の違い、人材等々の課題も残るが、なによりも中国の工場は日本の優れた加工機械を強く求めている。


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