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今週の一本

●新水産基本計画、6つの柱で展開 後藤 美緒(週刊水産タイムス:07/3/26号)

生産構造の経営展望と工程表を作成

 政府は新たな水産基本計画を、20日の閣議で決定した。関連して水産庁では「漁業の生産構造と経営展望」「水産基本計画工程表」を作成・公表。展望の実現に向けた経営施策を推進し、国際競争力のある経営体の育成・確保に向けた施策の集中を図る。

 新たな水産基本計画は、(1)低水準にとどまっている水産資源の回復・管理の推進(2)国際競争力のある経営体の育成・確保と活力ある漁業就業構造の確立(3)水産物の安定供給を図るための加工・流通・消費施策の展開(4)水産業の未来を切り拓く新技術の開発及び普及(5)漁港・漁場・漁村の総合的整備と水産業・漁村の多面的機能の発揮(6)水産関係団体の再編整備――の6つの課題と関連施策を柱に構成。水産物の重要性と消費流通構造の変化や、国際化の進展と水産物の世界的需要の高まり、資源状況の悪化などの情勢の変化を踏まえた。

 水産庁では、今後5年間にやるべき事項を明確にして透明性の高い行政を進めるべく、新水産政策推進本部を設置。水産庁長官、次長、部課長で工程表を作成した。内容を年3回ほど点検し、施策の改善に役立てる。漁業の生産構造と経営展望も作成し、戦略をわかりやすく提示。平成29年度の持続的生産目標は495万t、消費の望ましい姿は34kg/人年、自給率目標は65%と設定し、制度改善と連携を図り、国際競争力のある経営体の育成・確保に向けた施策の推進を図る。
 4月以降には新基本計画の説明会の実施を予定している。

わが国水産の明るい未来へ

松岡利勝農水大臣の談話

 かつてない情勢の変化に的確に対応し、消費者・国民の視点に立った水産政策を展開していくためには、新たな基本計画に沿って、従来の枠にとらわれない政策改革を実行することが必要。こうした考え方の下、水産資源の回復・向上に取り組みつつ、漁船漁業の構造改革や、新しい経営安定対策の導入、また、輸出戦略の積極的な展開を含めた加工流通分野の構造改革を進めるとともに、消費者との信頼のネットワークの構築を通じた水産物消費の拡大を図るなどの政策を着実に推進していく。

 水産政策は、日々の食生活を始めとして広く国民生活に関わるものであり、水産基本計画に基づく各般の施策と漁業者のみならず消費者を含めた国民全体の意識や行動とが結び付くとき、我が国の水産の明るい将来展望が拓けるものと考えている。

小野征一郎水産政策審議会の談話

 5年ごとに見直される「水産基本計画」は、10年後(平成29年)の食用魚介類自給率65%を目標に掲げるが、その達成のためには、国際競争力を持った経営体の育成・確保が最も重要であろう。単なるコスト競争・価格競争をこえた、加工・流通・消費と連動した高品質の水産物を供給することが、輸入と対抗していくための突破口ではないかと思われる。

 生産構造と経営の展望が資料として作成されたが、それに肉付けをすることにより、水産関係者が、それぞれの立場に応じて漁業の具体像が描けよう。施策の工程管理・政策評価の積極的実施をうたい、「計画」に盛られた内容の進捗状況を追跡しうる手続きを組み込んだことは、政策当局にとっては大変であろうが、十分に評価できる。


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