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今週の一本

●冷食が飛ぶように売れた 木村 健(週刊冷食タイムス:07/06/12号)

ダイエーフローズンフェア開催

全品割引きなくても

 ダイエーは「フローズンフェア」を新浦安店(千葉県)で7〜10日の4日間開催した。価格訴求型の販促ではないにもかかわらず、初日から大勢の買い物客が1階の特設会場に詰めかけ、冷凍ケース33台にずらりと並べた冷凍食品が飛ぶように売れた。

 同フェアにはナックスナカムラとメーカー26社が協賛。うち20社がマネキンを配し、試食を交えた提案型販売を行なった。
 価格に頼らず冷食を拡販するイベントとして5年前から春と秋の年2回実施して今回が9回目。年を重ねるごとに売上げ効果を高めており、今回の売上げ予算は昨年春(第7回)の15%増を見込んでいる。
 仕掛け人であるダイエー食品商品供給本部デイリー部の芝尾昭治チーフマーチャンダイザーは初日の盛況ぶりから「15%増の達成は固い。たぶん平均客単価は1400〜1500円になるだろう」と自信を見せた。
 第7回の売上げは530万円、客数4600人だった。
 第10回は10月18日の冷凍食品の日前後に開催する予定。

売る工夫満載 芝尾チーフ
チラシ4万部、食シーンにあわせる

 フローズンフェアの告知チラシは4万部配布した。B4判と前回より大きくしたが、「割引」の文字は一切見られない。味の素のギョーザが208円、ニチレイフーズの本格炒め炒飯が298円というように通常小売価格の70%ほどではあるが、四割、五割引きが横行する中では通常の実売価格に近い価格設定といえる。
 これまではイタリアン、中華などのカテゴリー別に構成してきたが、今回は初めて(1)朝食(2)昼食(3)夕食(4)休日のブランチやお弁当(5)おやつ・塾前・夜食――の時間軸ごとにコーナーを設置した。特に夕食コーナーには力を入れ、通常の冷食売場ではあまり並んでいない珍しい商品の訴求にもチャレンジした。

 これまでは春は4月に実施していたが、今回は6月なので父の日向けの提案も新たな試み。中華好きのお父さん向けに大龍の北京ダックセットや南嘉社の水餃子、ニチロマザーの「黒豚のしゅうまい」などを提案。味の素のギョーザとアサヒビールのコラボ販売も行なった。
 洋食好きにはニチレイフーズの上等洋食シリーズなどを訴求。酒のおつまみ用にはニチロマザーの海老しんじょう、日本水産の塩あじ枝豆などを揃えた。
 アイスクリームの特設売場も併設した。ほとんどの客が購入するアイスクリーム売場を併設することで、普段冷食売場に足を向けない客層を取り込んだ。
 バンドル販売は前回からの試み。「昨年10月にバンドル販売(二個売りなど)を試みたところ、ほとんどの購入者がこちらの提案どおりの個数を買ってくれた」(芝尾チーフマーチャンダイザー)。

 会場レイアウトは前回より通路を1本増やした。
 マネキンも前回の17社に対し今回は20社と増え、6人を派遣した大手メーカーもあり、総数は前回より増えた。
 メリットは如実。「エスケー食品の丼とご飯をセットにした商品は、ご飯付であることに気づいてもらえないため普段は売れない。しかし、フェアではマネキンの説明でよく売れている。単価も高いことからコーナー別売上げランクでいいところに来るだろう。冷凍野菜も食べて納得してもらわないと売れない商品。逆に言えば通常は冷食のよさが伝わっていないということだ」(芝尾チーフ)。
 普段はレンジ商品に圧され気味のディープフライ商品も、試食を交えることでよく売れていた。
 大塚食品の乾燥凍結野菜「ev」とおかゆなどのクロスMD販売も好評だった。
 ニチレイフーズは地産地消の観点からニチレイフーズ船橋工場で生産している商品を一つのコーナーで展示。
 めん類を試食販売した加ト吉は、気温が予想以上に高かったことから温麺の試食を急きょ冷やしタイプの麺に切り替えた。

 芝尾チーフは今回のイベントについて次のように語っている。
 「6月は冷食には厳しい月だが、1回目からマネキンとしてきていただいているメーカーは臨機応変の提案もできており、ありがたい限り。悲しいかな、冷食はこうした売り方をしないと価格だけの訴求になる。安売りだけの販売を避けたいメーカーの思いとダイエーがしたいことが一致したイベントだ。今回のフェアでは500円以上の本格冷食も非常によく売れている。新浦安店にはヘビーユーザーが根付いていると思う。おやつや弁当以外の分野にどう食い込むかが今後も課題であり、メーカーにとっても勉強の場になる。次回はさらにパワーアップした形で開催する」。
 フェア期間中は料理教室、クイズ、先着プレゼントや売場提案など様々な企画も行ない、消費意欲を喚起した。

冷食の良さ訴求これからも

 ナックスナカムラの向井正専務執行役員営業本部副本部長はダイエーのフローズンフェア初日に行なった会見で、同企画の意義について次のように語っている。
 「一言でいえば志。冷食に対する我々の期待の具現化であり、消費者に冷食のよさを知ってもらえるよい機会として新浦安店のイベントは一つの集大成になっている。今回初めての食シーン別提案は、言葉としては存在するが、実際にはなかなかできない。それをフェアだけのこととはいえ実現したことは大きな意味がある。ライトユーザーにも冷食がこんなにおいしいということを認識してもらい、今後も使ってもらえれば理想的だ」。

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