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業界交差点

この人に聞きたい:第1046回
(週刊冷食タイムス:26/09/15号)

陣頭に立ち改革推進、縦割り克服へ

Umios 代表取締役社長執行役員  安田 大助氏

(やすだ・だいすけ)1985年4月大洋漁業(現Umios)入社。主に水産事業に従事し、水産第一部長などを経て、2020年執行役員、22年常務執行役員、25年取締役専務執行役員。今年4月から現職。1961年9月生まれ、65歳。神奈川県出身。早稲田大学教育学部卒。

海外は川下戦略に投資、果敢に攻める

 Umiosの安田大助社長はメディアの共同取材にこのほど応じ、4月1日の社長就任から5カ月が過ぎた現在の心境や、中長期目標の達成に向かって舵をどう取るのか、海外投資戦略の方向性などを明らかにした。規模縮小が避けられない国内市場については消費者起点の商品開発に徹するため、自身が引き続きマーケティング部門長としてまとめていく考えを示した。縦割りの企業文化を克服し、真の意味でのワンチームをめざす。

 ――社長就任から5カ月が過ぎた。現在の心境は?
 安田 創業146年の歴史を持つ会社の指揮を執ることに対して相当な重圧感があります。半面、社名を変更し、CIを一新して新たなスタートを切ったことで大きな期待とやりがいも感じています。グループ全体で一体感を持って前に進んでいく覚悟です。

 ――就任後は現場にたびたび足を運んでいる。
 安田 元々は現場主義の人間。現場を見て回り、従業員の声を直接聴くべく、順次、国内外の拠点を訪れています。時間がどうしても取れず、いまだ回り切れていないのが現状です。
 そこでグループ従業員向けのWEB社内報に「月刊ダイスケ」というコーナーを設け、私がどこで何をしているかを伝えたり、私の考えについて社員たちにどのように思うかを呼びかけたりしています。実際、社員から反応が寄せられ、メールでやりとりすることもあります。4月に始めたばかりですが、今後も続けていきたいと思います。

 ――入社後の経歴は?
 安田 1985年に旧大洋漁業に入社し、北欧の甘えびの買付販売部署に配属されました。赴任先はとにかく寒い地域ばかりでしたが、19年間従事しました。これほど長く同じ商材を扱うことは異例だったと思います。その後、養殖のバナメイえびが増えてきたため、今度はインドや東南アジアの養殖えびに携わり、えびだけで都合26年にわたりました。
 その後は北米のかにや冷凍魚を担当し、56歳で九州支社長に就きました。ここでは市販用・業務用の加工度の高い商品に触れる機会に恵まれて、今思えば人生の転機でした。九州で定年を迎えるつもりが、2年後に本社に呼び戻された後は、担当役員として、それまで事業間で壁があった業務用と水産、畜産、農産の各商材の連携を進めてきました。昨年立ち上げた4つの部門のうち、マーケティング部門と海外戦略部門ではそれぞれの部門長に就き、そして今年4月に社長を拝命しました。

ペットフードを新たな事業の支柱に

 ――将来のビジョンをどのように描く?
 安田 「持続可能なタンパク質の提供」と「健康価値の創造」を将来のありたい姿としてグループ内で共有しています。これを実現するために@消費者起点のバリューサイクルとAグローカル戦略を同時に展開していきます。

 ――どう展開していく?
 安田 成長領域と位置付ける海外では北米を中心に「川下戦略」を強化します。モデル例が欧州です。Umiosフードグループヨーロッパ(旧シーフードコネクショングループ、オランダ)はこの10年余りで売上げ、営業利益ともに約20倍に拡大しました。現地の事情を熟知している、Umios執行役員で海外戦略部門副部門長のヤン・カプタイン氏にトップに就いてもらったことが大きい。彼の提案を参考に欧州の水産加工会社を買収し、それまで弱かった加工機能、販売機能を補強することで川上から川下までをしっかりとつなぐことができました。
 当社グループは米国アラスカのベーリング海でスケソウダラの漁業アクセス権を持っています。2026年の漁獲枠に基づく漁獲量は年間約31万tで、全米シェアは約26%でナンバーワン。他社にはない圧倒的な資源調達力があるのにも関わらず、今は思うように利益に結びついていない。今後は欧州のように加工機能と販売機能をつなぐ川下戦略を進めていく計画です。

 ――現中計(最終28年3月)の3カ年で成長投資枠は1400億円。内訳は?
 安田 川下強化に56%、ペットフード事業の強化に18%を投じる計画です。先ごろ発表したマレーシアの大手ペットフードメーカーのペットワールドインターナショナル社(PWI)の買収はその一環。これら2つの分野では相手先をある程度絞り込んでおり、徹底的に攻める考えです。
 PWIはドライフードが中心で国内シェア2位を獲得しており、当社グループのアイシア(東京都港区)のウェットフードを今後販路に乗せていく予定です。ペットフードは新たな事業の柱に育っており、28年3月期は営業利益100億円をめざします。

 ――長期目標では34年度の海外経常利益比率は70%が目標。達成は可能?
 安田 26年3月期で54%まで順調に伸びており、間違いなく到達できます。

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