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この人に聞きたい:第1031回
(週刊冷食タイムス:26/05/26号)

生産者が正当に評価される社会を

(株)HOLUS 代表取締役  阿部 秀昭氏

(あべ・ひであき)日系企業を経た後、ベトナムに渡る。ベトナム系食品企業の取締役を経て、2013年(株)HOLUSを創業、代表取締役(現任)。1975年2月22日生まれ、51歳。大阪府出身。

冷凍野菜は日本品質・ベトナム価格

 「生産者(農家)が正当に評価される」社会の実現をめざし、ベトナムで野菜を栽培・冷凍加工して日本に輸出。土壌改良や栽培方法は日本基準を取り入れ、“ベトナム価格”で日本のメーカーの原料や外食・スーパー惣菜向けに数量を伸ばしている。

 ――なぜベトナムに?
 阿部 パイオニアになりたくて、仏教国で親日的、箸を使う食文化のベトナムが良いのではと考え、共同でえびの養殖を手掛けたのが足を踏み入れたきっかけです。その後、もっと私の想いが込められると思い、野菜の栽培を始めました。

 ――ベトナムの農業について聞きたい。
 阿部 いろいろな省を回って目にした貧しさに、何とかしなければ、という想いに駆られました。同時に、農業に関しては素人だったので、一旦日本に帰国。専門家を見つけてベトナムで一緒に営農指導に励みました。当時、すでに日系企業がベトナムの冷凍野菜を扱っていましたが、“買う”ことが主目的で、真剣になって生産者の生活水準を上げようという意識が感じられませんでした。

 ――生産者の生活水準を上げるために何を?
 阿部 適地適作です。その土地の気候、風土に合った作物を栽培します。ラムドン省は標高1500m級の高原地帯で、平均気温が20度Cの常春。日本が求める野菜・果実類が通年で栽培できます。収穫した作物は全量買い取ります。2022年ラムドン省に現地法人AGRIEX(アグリエックス)が自社工場を設立し、雇用も創出しました。
 予定より2年遅れましたが、今年1月に第2工場を竣工。年間1万tの冷凍野菜を生産する能力を備えています。メイン商材はさつまいも、なす、オクラ、パプリカ、いんげん等々。工場内に歯科医を常駐させ、500名以上の従業員とその家族に対し、「予防歯科」の習慣化をめざしています。食品工場に歯科医を常駐させているのは世界で初めてかもしれません。

 ――中長期的な目標を。
 阿部 来年、隣接地に第3工場が竣工するため、冷凍野菜の生産能力を年間2万tに引き上げるのが直近の目標です。さらに、日本以外にベトナム、東南アジアと販路を広げ、世界を代表する野菜メーカーをめざしています。今はベトナムの力を借りて「メイドバイジャパン」ですが、農業技術は日本が世界bPだと思っているので、ゆくゆくは「メイドインジャパン」の野菜を作るのが夢です。冷凍かどうかはわかりません。

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