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この人に聞きたい:第620回
(週刊水産タイムス:18/01/08号)

「漁業権解放」浜の混乱招く

東京大学大学院 農学生命科学研究科 教授  鈴木 宣弘氏

(すずき・のぶひろ)東大農学部卒。農水省や九大学教授を経て、2006年から現職。専門は農業経済学。近著に「亡国の漁業権開放」(筑波書房ブックレット」がある。1958年三重県生まれ。

 政府の規制改革推進会議で議論されている「漁業権開放」について、「強い違和感を抱く」と語気を強める。「『規制撤廃して個々が勝手に自己利益を追求すれば、結果的に社会全体の利益が最大化される』という経済理論の漁場への適用は論外だ」。

 総量規制すれば資源管理はできるという意見もあるが、「現場を知らない空論だ」と切り捨てる。その理由を「行政府が漁場ごとの再生産能力を把握した上限値を正確に計算するのは困難で、その割り当て・監視の行政コストも莫大だ」と説明する。

 「(漁師らは)漁協に集まって、獲り過ぎや海の汚れにつながる過密養殖にならないように毎年の計画を話し合い公平に調整し、年度途中でも情勢変化に対応して微調整する。きめ細かな共生システムが絶妙なバランスの上に出来上がっている」と強調する。その上で、「漁協を中心とした自主管理システムの方が有効かつ低コストなのは自明」と唱える。

 「漁協と別の主体にも漁業権が免許されたら、漁場の資源管理が混乱に陥る」と危惧する。さらに「割り当てた漁業権を入札で譲渡可能にする案もあるが、そうなれば資金力のある企業が地域の漁業権を買い占めかねない」と続ける。

 「海と隣接した集落で長年なりわいを営んできた多くの家族経営漁家を追い出し、地域コミュニティーを崩壊させる権利が誰にあるのか」と疑問を投げかける。

 「漁業は企業間の競争、対立、収穫ではなく、協調の精神、共同体的な理論で成り立ち、資源をうまく利用している。その根幹が漁協による漁業管理権だ」と説く。

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