冷凍食品(冷食)・冷凍野菜・お弁当の売上・取扱ランキング・ニュース

水産タイムズ社
トップページお問い合わせサイトマップENGLISH
業界交差点

この人に聞きたい:第653回
(週刊水産タイムス:18/09/10号)

より多くの水産物を海から提供する

マリンハーベスト社 COO(最高執行責任者)  オーラ・ブラッドボル氏

マリンハーベスト社はアトランティックサーモンの生産量で世界最大を誇る。2017年の生産量は37万tで、売上高は37億ユーロ。27カ国で1万3300人が働いている。

中国・上海に加工場新設

 世界最大のサーモン養殖加工会社マリンハーベスト社のオーラ・ブラッドボルCOO(最高執行責任者)がジャパン・インターナショナル・シーフードショーの出展に合わせてこのほど来日した。「リーディング・ザ・ブルーレボリューション」をテーマとした今後の事業展開などについて聞いた。

 ――2018年第2四半期業績(4〜6月)について。
 ブラッドボル氏 第2四半期のEBITは1億7500万ユーロ(前年同期は1億9800万ユーロ)。結果は非常に良く満足しているが、サーモンの生産量は計画よりも減る見込み。

 減産理由はノルウェーとカナダ中心に、エラや心臓などに関する疾病が発生したため。シーライス対策を講じている影響で、サーモンの耐性が弱まっているようだ。計画よりは減るが、前年よりも生産量は増える見通し。

 ――現在、サーモン市場として伸びている国・地域はどこか。
 ブラッドボル氏 日本は当社グループにとって重要な市場で、これまでもかなり投資をしてきた。現在堅調なのは米国と中国。米国市場は前年対比2ケタの成長。また、中国との貿易問題も是正されつつあり、輸出は増えている。今年は中国・上海に加工場を建設する予定。規模は日本にある自社加工場(成田や関西)と同じくらい。ビジネスモデルも日本と同じ。

 ――米国市場ではどのような戦略をとっているか。
 ブラッドボル氏 米国ではサーモン需要が堅調で、特に生鮮サーモンのプリパック製品の販売が好調。100〜200g前後のポーション(切り身)をスキンパックした商品が伸びている。ダラスとマイアミにある自社加工場で加工している。

 3年前まではプリパックの生鮮サーモンは主流ではなかったが、今ではほとんどのスーパーで置かれるようになり、堅調なサーモン需要をけん引する商品となっている。

 プリパック製品を投入したことで、サーモンが若い消費者に支持されるようになった。

パートナーとの信頼関係が重要

 カウンターでの対面販売は若い消費者になじみがなく敬遠されていたが、プリパック製品を販売することで、気軽に購入できるようになった。

 中国以外のアジア市場も順調に成長している。韓国、台湾、ベトナムに当社の加工場がある。

 ――マリンハーベスト社が掲げるビジョン「ブルーレボリューションをリードする」とはどのようなものか。
 ブラッドボル氏 地表の70%は水でおおわれているが、食品に占める水産物の割合はわずか2%しかない。

 当社は将来的な人口増加に対応し、より多くの水産物を海から提供したいと考えている。天然魚の生産量は最大限まで達しており、養殖魚の重要性が増している。

 「ブルーレボリューション(青い革命)」とは、海洋からもっとたくさんの食料を生産すること。今以上に技術開発に注力し、科学技術を導入しながら海からヘルシーな食品を生産していく。

 ――ビジョンの達成に不可欠な4つの価値とは何か。
 ブラッドボル氏 我々がビジョン達成のために重視している4つの価値とは「passion(情熱)」「change(変革)」「trust(信頼)」「share(共有)」。この4つを当社のすべての社員が重視すべき価値と位置付けている。

 変革をコアの価値観に置いている。変わるのは容易ではない。変わるためにはパートナーとの信頼関係が必要で、それが変革を生み出す。また、情報を共有し、オープンにすることで信頼は生まれる。

 ひたむきな情熱も重要。日本に来ていつも思うが、他のどの国よりも水産物に対する情熱を持っている。

スコットランドに飼料工場建設

 ――飼料生産から養殖、加工までサーモン養殖において一貫したサプライチェーンを構築している。
 ブラッドボル氏 現在は飼料生産で世界第3位、養殖・加工では世界最大の会社。

 数年前にノルウェー国内初の飼料工場を建設した。今年はスコットランドで2つ目の飼料工場を立ち上げる計画。

 食の安全、持続可能性、味、品質を考えた時に、サーモンに与える飼料は非常に重要なもの。飼料生産からコントロールすることで、顧客ニーズにもより細かく対応できる。

 ――世界中で事業を展開しているが、MHグループの強みは何か。
 ブラッドボル氏 当社グループはノルウェーをはじめ、スコットランド、フェロー諸島、アイルランド、カナダなどに養殖場を保有している。様々な地域でサーモンを養殖することでリスクを軽減し、安定供給を可能にしている。

 また、消費者ニーズに対応するため、世界中で付加価値製品を生産している。
 欧州での事業が中心だが、ここ数年でアジアと米国にもかなり投資してきた。いずれもサーモン需要が堅調に伸びているから。需要を満たすために積極的に投資を行っている。

 世界中にネットワークを構築することで、世界中の小売業とパートナーシップを組み、水産物の売り上げを伸ばすことができる。
 カテゴリーマネージメントが成功のための重要なツール。加工・販売のネットワークを駆使して、小売業とより良いパートナーシップを構築していきたい。

水産タイムス 冷食タイムス
(C) Copyright 2004-2015, Suisan Times Co., Ltd. All Rights Reserved.
当サイトに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。  お問い合わせ |サイトマップ著作権・記事使用・リンク・個人情報の保護などについて>>