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この人に聞きたい:第929回
(週刊水産タイムス:24/04/15号)

「組織風土改革に取り組む」

大都魚類(株) 代表取締役社長  播谷 純氏

(はりや・じゅん)1984年4月大洋漁業(現マルハニチロ)入社。2018年4月マルハニチロ中部支社長、20年4月同社関東支社長を経て、21年4月同社執行役員、23年4月大都魚類顧問、同年6月専務取締役、今年4月1日から現職。62歳。

新しいことにも挑戦できる雰囲気に

 大都魚類の社長に4月1日付で就任した播谷純氏が会見を5日開き、今後の抱負や同社の強みなどについて語った。発言要旨は次の通り。

 水産業界をとりまく状況は厳しいが、様々な課題に対してしっかり向き合う覚悟ができた。社長として責務を全うしていく。
 まずは組織風土の改革に取り組んでいきたい。組織風土の改革に取り組むことで、生産性の向上、チームワークを強化して、社員が協力して取り組んでいく会社にしたい。また、働きやすい環境づくりに努める。明るく開かれた組織風土によってのびのびと仕事に取り組んでもらいたい。新規事業の開拓など、新しいことにも挑戦できる雰囲気にしたい。
 豊洲市場は世界一の市場でブランド力も一級品。年間約30万tの集荷力があり、首都圏の台所を支えている重要な市場。豊洲市場のブランド力を活用できるのは当社の強み。
 豊洲本社に加え、千住・大田・成田に支社を構えている。各支社で商売の仕方を変えているが、強みは活魚。千住市場・大田市場で活魚水槽を持つのは当社のみ。当社は豊洲・千住・大田で合計約300tの活魚水槽を保有しており、今後これを武器にしていきたい。インバウンド需要の高まりなどを背景に、活魚マーケットは今後さらに拡大すると見ている。

正当な評価による意思のある価格形成を

 付加価値創造型水産流通企業として、橋本宏行前社長が進めてきたが、その方向性は今後も踏襲していく方針。付加価値を付けて水産物を流通していく。価格形成が市場の重要な役割だが、商品に対する正当な評価による意思のある価格でなければ水産業界の将来はない。漁業者、生産者の苦労や思い、こだわりのある商品であることを、末端に向けて正しく伝えていくことで価格を形成する。
 また、消費者が求める商品を把握し、生産者に伝え、形にすることも重要な役割。売上げ重視の昭和モデルから令和モデルに変えていく必要があり、市場卸も変わらなければならない。

輸出強化、中南米の新規開拓も

 海外部による輸出事業はコロナ禍の影響を受けて計画よりも若干遅れぎみ。
 現在はタイやベトナム、シンガポール、香港、メキシコなどへ国産養殖魚(タイ・ハマチ・カンパチ・サーモンなど)を輸出している。今後はアジア圏を中心に輸出強化を図るとともに、中南米への新規開拓をめざす。
 市場外への営業がメインのマーケティング部は着実に実績を重ねている。ねり製品・塩干品の加工メーカーなどと連携し、業務筋の要望を聞きながら商品化を進めており、手応えを感じている。業務用市場の規模は大きい。マーケティング部が先頭を切って開拓を進めており、今後大きな成長を期待している。
 マルハニチログループとして、マルハニチロの養殖魚(マグロ類、カンパチ、陸上養殖のサーモンなど)も積極的に取り扱っていく。
 グループの荷受会社とも連携を進めて、荷受自体が自主性を持って取り組んでいきたい。

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