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この人に聞きたい:第145回
(週刊水産タイムス:08/06/10号)

大型化へスピードアップを

(社)海外まき網漁業協会副会長 大洋エーアンドエフ(株)社長  今村 博展 氏

 いまむら・ひろのぶ 昭和41年上智大学卒。大洋漁業入社、平成7年海外漁業事業部部長、9年取締役海外漁業事業部長、14年大洋エーアンドエフ常務、15年専務、16年から社長。昭和18年4月生まれ。

 5月23日の海外まき網漁業協会の総会で、副会長に就任した。折りしも業界が切望していた大型化の試験操業許可(3隻)が出された。しかし、バンコックで開催されたツナ会議では、島嶼国から強烈な要求が出され、海外まき網漁業を取り巻く状況は、まさに風雲急を告げている。
 世界のまき網船の状況をみると、カツオマグロの漁獲量は420万t。中西部太平洋での伸びが大きく、95年の100万tから08年には200万tに倍増した。そのため漁獲努力量を04年レベル以上に増加させない、メバチ、キハダの混獲を減少させる案が示されている。
 ツナ会議におけるPNG代表によると、同水域での操業許可は205隻だが、08年から隻数割り当て制の廃止、隻日数への移行に加え島嶼国は新たな入漁条件として漁獲物の全量保持、7月から3カ月のEEZにおけるFADS操業禁止、公海操業の禁止、オブザーバー100%乗船など厳しい条件を要求している。
 「日本ではようやく大型化の試験操業許可の取扱方針が出たが、世界のカツオ資源を巡る状況は急激に変化。前倒しで制度化を実施すべき。主漁場の中西部太平洋では総漁獲努力量抑制の動きが加速しており、早く大型化を進めないと手遅れになりかねない。諸外国はすでに大型化を済ませており、日本だけが遅れている。このままでは国際競争に勝ち残れない」
 また、「最近、米国籍の海外まき網船の許可を台湾やイタリア系アメリカ資本が押さえ操業している。米国船は長期包括入域契約の下、自由に操業ができるのに対し、日本と韓国は割りを喰う」とも。
 こうしたことから「島嶼国では、これまでの入漁料だけの収入ではなく、もっと付加価値をつけるべきだと要求を高めており、これにどう応えていくか。一企業では対応できず、欧米のごとく、国として経済援助を絡ませた長期漁場確保のための戦略的な入漁支援が必要」と強調している。

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