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この人に聞きたい:第159回
(週刊水産タイムス:08/09/15号)

大いに盛り上がる08年マリンフーズ年末商談会
「スーパークール」で差別化商材

マリンフーズ 村岸文雄社長に聞く  

 

自信を持って年末商品を提供
アイデアで新商品を続々投入
川上の原料をしっかりと確保
加工度高め顧客ニーズに応える

 マリンフーズの08年度・年末商談会の開催にあたり、村岸文雄社長はインタビューに応え「商談会では、加工品、年末商材、寿司ブース、ブランド原料の各ブースを設け、リニューアル品を含めて新商品200品など、650アイテムを取り揃えた。特にブランド原料では、急速凍結装置や超低温保存などのシステムを組み合わせた独自の水産原料ブランド『スーパークール』の商材をはじめ、北極圏での養殖サケ『オーロラ・サーモン』、さらには、新規市場としてのギフト商品を紹介している」とした。

 ――今年の商談会の概要について、まずお聞かせ下さい。

 村岸 今回の商談会は6つのブースで構成されています。加工品、年末商材、寿司、ブランド原料、ギフト、食育・環境の各ブースを設けている。加工品ブースでは、三重工場商品を中心に恵海(めぐみ)ブランドとして、食べる喜びと豊かな食卓提案する商品を紹介しています。また、年末商材ブースでは、産地や詳細情報を説明しております。特に年末に需要の高いカニ、エビ、魚卵、マグロ、鮮魚を紹介しています。カニは原料事情が厳しい中で、新しいアイテムを加えております。
 寿司ブースでは、7月に開催された東京シーフードショーで紹介し、好評をいただいている郷土寿司や巻物を提案させていただいております。
 ブランド原料ブースは、これは当社の強みであります全国の営業拠点に設置されております超低温冷蔵庫で保管する超低温商品群、当社ブランド・システム『スーパークール』商品を紹介しています。お客様からも商品レベルが高いとの評価を得ています。いまの時流にあったこだわりがあり、しっかりと伸ばしていきたいと思います。また、これは他社との差別化した取り組みであり、強みであるといえましょう。
 さらに北極圏の低水温帯の養殖サケ『オーロラ・サーモン』を提案しています。加えて、工場での加工直前まで活かしている養殖エビを原料として『旨海(うまみ)の海老』も紹介しています。

ギフト市場に積極取り組み
 ギフトブースでは、三重工場からの産直ギフトとして、原料にこだわった高級食材を開発し、今年の年末ギフト商品の中心に位置づけたいと思っております。
 食育環境ブースにつきましては、会社の足場としてCS(顧客満足度)経営とコンプライアンス経営を掲げております。その1つとしてCS経営の一環として、食育の取り組みから公立小学校での出張授業、取引先との協賛による地域交流イベントを行い、今後とも食育活動を行ってまいりたいと考えています。
 商談会のスケジュールですが、東京会場に続いて、9月18日に大阪会場、9月24日に福岡会場、10月8日に名古屋会場のほか、ミニ商談会として10月15日に沖縄会場、10月23日に石川会場で開催いたします。

 ――主な商品としては、どのようなものがありますか。

 村岸 ブランド商品である『恵海(めぐみ)の食卓』シリーズ商品、『旨海(うまみ)の海老』、味付数の子、明太子、インドマグロ、本マグロ、ミョウバン未使用のチリ産ウニ、ズワイガニにスーパークール商品など、多くの商品を展示しています。

 ――年末商品の見通しはいかがですか。

 村岸 少なくとも昨年以上の売上げを確保すると考えています。昨年の年末商戦では119億円を上げていますので、これ以上を確保していきたいと考えています。
 また、部門別の状況としては、寿司ネタは4月〜8月で前年同期比107%、マグロが同95%、工場製品は同96%です。販売チャネル別では、スーパー部門であるデリカ水産品は同105%、寿司部門(回転寿司、テイクアウト)が同104%となっています。
 通期の見通しでは、売上高で前年同期比102〜103%の780億円を見込んでいます。

 ――マリンフーズの今後の方向性についてはいかがですか。

 村岸 我々の強いところは、寿司ネタでありますので、これからも寿司ネタを中心に取り組みを行っていきます。伸びている量販店のデリカ部門を中心に積極的な活動を行っていきたいと思います。
 それと、世界的な原油の高騰や水産物の需要の拡大、水産資源の減少による原料不足、魚価高などの環境下で、川上の原料をしっかりと確保し、商品の安定供給を図っていきたいと思っています。
 今回、愛媛県の宇和島でマグロの養殖事業をはじめましたが、これも安定した原料確保の取り組みの一環であります。先ほど紹介したスーパークールをはじめ、しっかりと差別化した戦略を打っていきたいと思います。

 ――原料面の確保をはじめ、国内の市場も大きく変化していますが、ご苦労された点や注意された点をお聞かせ下さい。

 村岸 ウナギの偽装表示などいろいろなことがありますので、やはりトレースがしっかりとした安心・安全なものをお届けすることが基本であろうと考えています。
 魚価の高い状況は他社も同様であろうと思います。これをどのように付加価値を付けていくかに力を入れていきたいと思っています。例えば養殖マグロ商材にしても、4つ割のままではなく、お客様のニーズに合わせて加工度を高めていくか、であるといえましょう。
 また、外食店では、ガソリンの高騰でロードサイド型のビジネスに影響が出ていると言われています。そうした中で店舗は、収益性を高めていかなければなりませんので、魚価の高くなった商品ばかりを売っていてはダメになります。そこで加工度の高い商品を開発して欲しいという要望があります。例えば売価100円なら100円に合う形で、お寿司になるものはないかと探し、食材を開発していきます。
 
宇和島でマグロ養殖を開始

 ――宇和島の養殖マグロはいつごろ出荷できるのですか。

 村岸 来年の12月ごろに出荷できます。1尾20kg前後に成長するでしょう。最初は小ぶりのものですが、段階的に出荷していきますので、平均33kg前後になるでしょう。
 その他、新規取り組みとしてギフト商材の販売にも力を入れています。今年ギフト商戦は、昨年の倍の売上げをめざしています。

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