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この人に聞きたい:第161回
(週刊水産タイムス:08/09/29号)

水産ジャーナリストの会 研究会

海とくらし研究所主宰  関いずみ氏

 

女性活動が地域支える
海とくらし研究所 関いずみ氏が講演

 水産ジャーナリストの会は研究会を9月22日に開催し、海とくらし研究所主宰の関いずみ氏が「漁村女性の地産地消への取り組み」をテーマに講演した。
 関氏は「漁村では女性たちが地場資源の有効活用や地域密着型をめざして活動している。近年では起業する女性が増加しているが、活動の維持・継続、担い手の確保・育成、協力者・支援者、資金などの課題もある。しかし、何よりも楽しみのあることが重要」とし、各地の漁村女性の活動事例を紹介した。
 山口県下関市の「彦島シーレディース」は行政の補助と、漁協女性部からの出資で起業。地の魚を惣菜にして販売している。2大メニューは「厳流揚げ」で、底曳網で大量に取れる安価なエソや小ダコを利用し、資源を上手に活用している。
 高知県宿毛市ではまき網漁家の婦人グループが、漁業者がせっかく獲ってきた魚を全て有効活用したい、地魚のおいしさをもっと知ってもらいたいという思いから「栄喜っ娘ひめ市」を結成。小さくて市場に出にくい魚を、ひと手間加えることで付加価値をつけて販売している。
 東京都八丈島の女性部は地産地消を推進しようと「おさかな研究会」立ち上げ、地魚の給食への使用をアピールしてきた。現在は島を出て他の市区へも活動を広げ、クサヤの原料以外に用途のなかったムロアジやナメモンガラにも値がつくようになり、島の魚が見直されている。
 JF佐賀市女性起業化グループは出荷できない傷ノリを加工し、ノリの佃煮を生産。傷ノリとはいえ、味の良さには変わりがなく、生産者の苦労を少しもムダにしたくはないという思いで活動している。全国をターゲットに販売。
 関氏は「女性部の起業目的は『もったいない』と『知ってほしい』がポイント。地元漁業への思いからスタートしている彼女たちの活動は各地で広がりつつあり、地域や漁業の持続を支えている」と語った。

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