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この人に聞きたい:第167回
(週刊冷食タイムス:08/11/11号)

200億円突破、企業使命を意識

フジノ食品(株) 代表取締役社長  藤野潔氏

(ふじの・きよし)昭和46年8月滋賀県五個荘町(現東近江市宮荘町)に会社を興し、前期で200億円を達成。JFSA理事も務める。昭和24年11月生まれ。

小学校に食の「出張講座」始めた

 伊藤忠商事、丸紅、高島屋、大丸、西武、日本生命、ヤンマーの共通項は「近江商人」。中でも五個荘(ごかしょう)は近江商人の発祥の地。ワコール塚本家、西武堤家を生み出し、フジノ食品もここを拠点とする。

 ――いよいよ200億円突破。力強い拡大を業界が注目している。

 藤野 営業地域を拡大してきたからですね、それほどいきなり伸ばしたわけではない。滋賀だけだったらそんなに伸びないですよ。

 ――そこが近江商人、五個荘商人の真髄。天秤棒で各地に商売を広げてきた遺伝子が生きている。

 藤野 得意先の要望に応じて自然に広がっただけ。関西、北陸、東海に365日供給体制を実現したい、とは考えてきました。しかし地域の拡大はここまで。あくまでも地域密着の卸業というスタンスは変わってません。

 ――「三方よし」が近江商人の基本。売り手、買い手によく、世間よし、つまり社会に認められる、社会が必要とする事業だから…。

 藤野 深く意識はしていないが自分だけ良ければ、という考えは始めからない。必要とされることに必死で取り組んできた、その積み重ねです。外食と惣菜に特化し、顧客と一緒に機能を磨き上げようと努めてきた。顧客と一緒に伸び、それに、ありがたいことにメーカーも一緒についてきてくれた。

 ――前5月期が5%増の200億4000万円。創業当時の絵図と比べ予定通り、それとも予想以上?

 藤野 う〜ん、ここまで来たか、こんなもんかとも。しかし着々と確実に来たとは受けとめている。無理はしなかった。幸い、得意先の要望に応えるため、コンピュータを駆使した情報管理、商品管理は早くから取り組んでいたし、伸ばすべきところ、攻めるべきところには無理なく取り組めました。

 ――業務用卸の中では早くから情報管理に取り組み、大手企業より間違いなく進んでいた。

 藤野 グループ会社の中でコンピュータソフトの開発も内製化していたし、商品の単品管理も早くから行なっていました。物流と合わせた情報管理は当然だと思っていましたが、地方だから業界のレベルがどうなのか知らなかった。しかし得意先顧客からはそれが評価され、顧客と一緒に発展できた。

 ――200億円は全国レベルでも大手。これからの課題は?

 藤野 初めて回りを意識するようになりました。周囲から認められる行動をすべきだと。そこで食育に取り組むことにしました。県の司厨士(洋食)、和食、中華の料理人協会の幹部と小学校に出向いて、作って食べて、マナーも学ぶ勉強会を始めました。当社は食材を提供し、プロの料理人が指導する。「食の匠の出張講座」として県にも正式に登録されました。今年4回実施しましたが、子供たちにも、我々にも勉強になります。

 ――200億円企業の使命だ。

 藤野 新たな体制づくりが必要だが、その前に、知名度が低すぎた。世の中に当社の存在が知られていない。徐々に、社会を意識した企業活動に取り組みます。

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