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この人に聞きたい:第280回
(週刊冷食タイムス:11/03/01号)

めざすは食の楽しさ

キユーピー(株)取締役フードサービス本部長  西尾 秀明氏

(にしお・ひであき)昭和54年三英食品販売入社、業務用一筋。清峰高、九産大商卒。業務用本部長、FS本部長。昭和32年2月本土最西端の長崎北松浦生、54歳。

利用シーン考えて提案

 中計で「フードサービスを軸足」とする事業戦略を打ち出すキユーピー。要の役割を期待されるフードサービス本部の西尾本部長は同社役員の中でただ1人の業務用一筋。わかりやすい説明で社内の士気を高める。

 ――フードサービス本部の事業テーマは「さすがキユーピー、面白いと言われる事業」。これを許すキユーピーの度量が“さすが”であり、その社風が面白い。
 西尾 難しいことを私に求められても無理。わかりやすくしている、というより、私が理解できる範囲のことしかできない。面白いことで得意先販売店にも、商品を使っていただくユーザーにも、さらには最終喫食者である生活者にも喜んでいただけたらうれしい。その販売先、消費顧客、喫食者の笑顔をゲットしよう、社内にはそう呼びかけています。楽しさがなければ……。

 ――「モノ」から「コト提案」へとも西尾さんは提唱するが。
 西尾 「この商品、いかがですか?」という単品提案では行き詰まる。だから場面、利用目的を考える。使用シーンを考えれば提案が変わります。電気ドリルを買いに来る人の目的は穴を空ける、しかも、できればきれいな穴を空けたいと思っている。同様にドレッシングを買う人はドレッシングだけ欲しいのではなく「野菜をおいしく食べたい」と願っている。とすれば野菜を摂取できる鍋料理の提案、さらにそこに豆、タマゴ製品などの活躍のシーンも広がる。それはキユーピーが得意な世界ではないか……。そういうことです。

 ――冷凍泡「エスプーマ」やヒアロジュレが受けているのも……。
 西尾 「エスプーマ」はデザートの利用が最初に思い浮かぶが、実はドリンクや「泡鍋」、あるいは学校給食などにも利用が広がってます。ヒアロジュレも最初はデザートが先行したが、すぐに鍋料理などに広がり、居酒屋で女性客の人気メニューになりました。「コト提案」で世界が広がってます。

 ――市販用食品の代表メーカーの1つであるキユーピーが本気でフードサービスに軸足を移した。
 西尾 期待が大きいだけに大変ですが、業務用の世界は広く、深い。量販店の棚回りは市販用で仕事をしているが、バックヤード、あるいはソース1つ見ても食品売場の多くに入り込める余地は大きい。それを「コの字展開」と捉えて取り組んでいるわけです。棚回り以外はフードサービスの世界。

 ――それを「楽しく」取り組むことで「さすが、面白い」と?
 西尾 そう。不景気だが、実は楽しさを求める動きはあちこち見られます。ワンボックスカーのCMは必ず一家団らんのシーン。サクラクレパスはクレパスを買ってくれ、ではなく、絵を書くことは楽しいねと訴えています。そこにあるのはワクワクさせること、感動、驚きでしょう。我々がねらっているのもそこ。キユーピーの商品を使うと楽しいですよ、と。

 ――食べる時に半熟卵が出る「開けオムレツ」は感動的。
 西尾 それが付加価値であり、顧客の笑顔です。ご期待下さい。

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