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この人に聞きたい:第355回
(週刊冷食タイムス:12/08/28号)

相対商売で事業拡げる

(株)三和 代表取締役  植村 喜久男氏

(うえむら・きくお)飲食業勤務を経て昭和48年入社。常務、専務を経て平成12年11月から現職。水戸市出身。昭和23年6月生まれ、64歳。水戸商業高等学校卒。

肝心なのは顧客への奉仕

 業務用卸の三和(水戸市)は今8月期で売上高80億円に到達する。5〜6%の増収を毎期維持し、年商100億円も間近。植村代表取締役は「商売において最も肝心なことはバランス。地道に事業を進める」と語る。

 ――売上げ構成比について。
 植村 約半分が外食ルートで、残りを産業給食や病院・老健施設などが占めます。ここ7年ほどで病院・老健施設が急激に伸びました。全ルート、全ての業態をバランス良く伸ばすのが理想的です。商圏人口は250万人程度。その中で当社はマーケットを掘り下げ、今期は年商80億円に達する見通しです。前期比2ケタ増で推移し、正直なところ伸び過ぎました。昨年は東日本大震災の影響で横ばいになった分、今期の伸びに加わりました。毎年5〜6%増で段階的に会社が成長するのが最善。伸び過ぎると人員や設備面で無理が生じるので望ましいことではありません。

 ――主なプラス要因は。
 植村 営業エリアの拡大です。県南支店(常総市)は千葉の方まで、本社(水戸市)は宇都宮の方まで営業に回り新規を獲得しました。2年ほど前から外食の大口ユーザーとの取り組みを強化してきたことも奏功しています。大口の場合、年商に占める比率が最大で3%。リスク管理上、それ以上にならないよう調整しています。

 ――同業との競争は厳しい?
 植村 本当に手強い競合先はCVSやスーパー惣菜など外食ユーザーを奪う勢力です。同業他社とは切磋琢磨し、業界のレベルアップにつながれば良い。価格競争ばかりではダメになります。競争で肝心なことはユーザーのためになること。メニュー提案など情報提供でユーザーをサポートします。営業担当の従業員数は多く、それが差別化とも言えます。

 ――ホームページがない。
 植村 ネット活用があまり好きではありません。デジタルの商いは自社都合になりがちのように思います。ネット経由で知らない相手に商品を売りたいとも思いません。アナログで商う場合、ユーザーと信頼を築いて初めて仕事が成立するものです。当社への注文は砂糖なら単に「砂糖」と発注いただくだけでオーダーが完了します。それがユーザー目線だと思います。受注は電話や営業マンへの口頭での注文が多くを占めます。そのため、配達当日の追加注文もザラにあります。チャーター便の利用はなく、配送は全て自社便です。物流担当者も営業に所属し、ユーザー倉庫も管理しています。

 ――会社創立は昭和35年。
 植村 当初は常温品だけを扱う外食卸でした。冷凍食品を扱い始めて30年程になります。当初は冷凍食品の評判が芳しくありませんでしたが、冷凍「にんにくの芽」が評価される転機になったと記憶しています。ロングブランチングの枝豆、ブラックタイガーを取り扱い始めた時期は茨城県でどこよりも早く、冷凍食品を認知させたとの自負はあります。現在、当社の商品構成比は冷凍・チルドが半分以上を占めています。

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