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この人に聞きたい:第356回
(週刊水産タイムス:12/09/03号)
会社経営と育児を両立
マルトモ株式会社 代表取締役社長 明関 美良氏
(みょうせき・みよ)昭和55年3月東京生まれ。小学生低学年まで千葉県で過ごし、その後愛媛へ。一橋大学経済学部卒業後、システム会社を経て、平成16年マルトモ入社。マーケティング担当、執行役員、常務、専務を経て現職。母と同じく4人姉妹の長女。
かつおパック、だしの素で知られるマルトモ。昨年8月、31歳の若さで会社の舵取りを託された。創業者の孫の孫に当たる4代目で、2人の子(3歳の男の子と1歳の女の子)を持つ母でもある。社長と育児の両立は「大変なことは確か。でも人生を2倍楽しめる」と前向き。
――この1年を振り返ると。 「次から次へと、やるべきことがあって、長い1年に感じた。社内も取引先も先輩ばかり。新米社長として気を使うこともあるが、最終的に、会社にとっていいか悪いかで判断するようにしている。逆に若い女性社長ということで、初対面でもすぐに覚えられ、親身に教えてもらったりして、むしろメリットの方が多い」
――社内に新風。 「工場の生産性や衛生管理の強化、人事制度の変更、営業面でも自社のプレゼンを増やしている。準備は大変だが、効果はある。忙しいバイヤーの方が時間を割いてでも来て良かったと思ってもらえるよう、内容を工夫している」
――売上げの6割はカツオ節。原料価格が業績を大きく左右する。 「たとえ高水準の魚価でも、しっかり利益を出せる体質を目指す。取り組んでいる様々な改革のゴールはそこ」
――だし業界の将来性は。 「食の旨みのもとなので、おいしいものを求め続ける限り、欠くことはできないもの。むしろ問題は提案の仕方。従来の利用の仕方にとどまっていれば、今後の成長はない。新商品では『もやしナムルの素』『まろやか酢の物の素』といった使い切りの液体調味料が予想以上に好評。いい商品、生活者の味覚に響く商品を作れるかどうか。メーカーにとっての生命線はどの食品も同じ」
――社員に訴えることは。 「厳しい時代だから、できない理由を挙げようとすればいくらでもある。でも、そこで萎えてしまえば負け。とにかく一歩前進」
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