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この人に聞きたい:第366回
(週刊冷食タイムス:12/11/13号)

地域卸から枠組み拡大

アクト中食(株) 代表取締役社長  平岩 由紀雄氏

(ひらいわ・ゆきお)広島銀行から同社に転じ、平成17年10月社長。101年の歴史を持つ4代目「平岩喜左衛門」。広島学院高から関学大卒。昭和42年生、今年45歳。

めざすはシステム提供会社

 明治44年(1911年)創業、広島の米穀商の老舗。中部食糧から昭和60年業務用食品卸が独立しアクト中食誕生。その後C&Cで急成長。100周年を機に食のコーディネーターの方向を強化している。切れ味良し。

 ――業務用卸、キャッシュ&キャリー、米穀販売のほかにもグループ会社を多く立ち上げている。
 平岩 業務用食品卸、あるいはC&C店だけでは差別化が難しいし面白くない。私はネットワークづくり次第だと思ってます。100人の知り合いがいれば100通りの情報が集まる。そこから生まれたビジネスプランをやる気のある人に任せる。その仕組みができればスピード感が全く変わります。問屋業には地域の限界があるが、そこにメーカー機能、商品開発機能を加えれば、面白い事業展開ができます。グループ会社のジェイフーズネット(株)がその例。世界中の情報網から商品を開発し、輸入して必要とするところに供給する。これには地域的な枠がない。

 ――情報ネットがカギを握る。
 平岩 共同仕入組織セブンアローズを組織したのも、NCFに加入したのもそのため。私も若いが、同年代の若手の情報交換が非常に大事だと感じてます。若い経営者を育成する場として、既成の組織を超えた第三局の力になれば、これも面白い。その仕掛けが大事。

 ――めざしているのはアクト中食の基盤拡大? 上場?
 平岩 これまでの業務用食品問屋のビジネスモデルでは業容を今後も拡大し続けることが難しいでしょう。仮に上場してもそのメリットは疑問。そこでいま当社グループが目指しているのは「食のコーディネーター」であり、顧客の仕事に役立つためなら、と様々な新会社を立ち上げました。もちろん中には失敗もありますが、開発機能のJフーズネットや、農家と産地を応援するアグリプロデュース(株)(宮崎)などの重要な機能を持つグループ会社もあります。最終的にはシステム提供会社をめざす方向にあると思っています。

 ――グループ拡大は続く?
 平岩 当社に転じ、副社長を経て社長として7年。失敗も重ねているので、これはできる、これは効率が悪いなどいろいろわかってきました。少しグループを広げ過ぎたとも思うので、社長在任10年に向けて事業成果を一旦まとめあげるつもりです。そこで次のグループ戦略を洗い直す考えです。

 ――アクト中食の現状、課題は。
 平岩 グループ総売上げ約250億円。成長を支えてきたC&C店は競争が非常に厳しくなってきました。もはや構造不況。想定したより早く訪れた感じ。業務用地域卸は堅調。当社のベースとなった米穀販売業は、周囲の米穀店が次々廃業しているため、むしろチャンスかと。コメに関する商品力、情報力は当社の強み。既に有力筋から新しい話も来ています。

 ――業務用卸は地域に徹し、それ以外はワイドに展開する姿?
 平岩 というより、できること、面白いことは柔軟に取り組みたいな、と。でも静かに動きますよ。

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