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この人に聞きたい:第391回
(週刊冷食タイムス:13/05/21号)

東日本大震災を教訓に免震を徹底

山手冷蔵(株) 代表取締役社長  青山 信之氏

 

川崎ロジスティクスセンター、2期棟の建設も検討

 冷蔵倉庫・低温物流の中枢を担う川崎市東扇島に川崎ロジスティックセンターを無事竣工できた。川崎市港湾局をはじめ、企画・設計・施工関係者の方々に改めて御礼申し上げたい。

 当センターはロケーションに非常に恵まれ、建物正面には川崎港のコンテナヤードがあるなど、非常に良い場所。この土地を2年半前に川崎市港湾局から借り受けた。

 拠点の新設にあたっては、ニッスイ・エンジニアリングと企画立案した。その最中に東日本大震災が起きた。被災地の冷蔵倉庫は相当な大きなダメージを受けたが、免震装置を導入した拠点の被害は最小限に留まったと聞き、当社が今後建てる拠点には免震装置を取り入れることに決めた。当社90周年の記念行事として着工に入り、先月末、神事を執り行い竣工した。

 お客様よりお預かりした貨物と人に優しいをモットーに免震を施し、しかも環境保全に貢献する自然冷媒(アンモニア・CO2)の導入で脱フロンとする冷却装置を東洋製作所に依頼した。なおかつ省エネルギーの工夫を取り入れた。荷捌き場に陽圧装置を導入して外気侵入を防ぎ、庫内照明にLEDを採用した。また、オムニヨシダ製の垂直搬送機は冷凍庫の中に設置し稼働する。これにより防熱扉の開閉を大幅に減らし省エネにつなげていく。

 建設に際し、免震について設計・施工を一緒に手掛けてもらう前提の見積もりを各社にとった中、東亜建設工業による免震システムとPC関節工法を採用した。横揺れには免震装置が働き、直下型振動にはPC関節工法の耐震性能が効果を発揮すると東亜建設工業は強調した。また、プレキャストでコンクリート部材を工場生産するために工期を短くすることが出来るうえ、柱と梁は超高圧コンクリートを用いることで長持ちすると聞き採用した。

 建物は冷蔵倉庫と事務所を一体としており、これは日本で初めて導入した工法と言われている。また、津波が来ることを想定し、事務所のコンピュータを2階に設置するなど震災を考慮して築いた。

 敷地の半分が空いており、ここに2期棟の建設も検討中。着工する場合に備えて、2棟を直結できる工法を今回取り入れた。2期棟の建設はまだ正式な決定ではないが、実現すれば大変にうれしい。

 まずは今回竣工した拠点を1日も早く軌道に乗せることに全力を注ぐ。

 冷蔵倉庫は50年という長きに渡り使用するものである以上、設計・施工関係者に長い付き合いをお願いしたい。当社の社員一同は引き続き、総力を結集してステークホルダーのため頑張っていく。

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