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この人に聞きたい:第394回
(週刊水産タイムス:13/06/10号)

増収増益基調、グループ協業も視野に販路拡大

(株)マルイチ産商 代表取締役社長  藤沢 政俊氏

(ふじさわ・まさとし)昭和51年東京農大卒業後、同社入社。平成20年6月取締役執行役員水産セグメント統括、24年6月取締役常務執行役員フードサービス事業部長。今年4月から現職。昭和28年生まれ、長野県出身。

 全国の荷受各社が苦戦を強いられる中、マルイチ産商(長野市)の健闘が際立つ。2012年度(25年3月期)は増収増益。今年度もその勢いで中期経営計画「Cキューブ2013」の達成へ一丸となる。“メーカー型卸”をめざす同社の今後の営業戦略や策定中の新中計を藤沢政俊社長に聞いた。

 ――2012年度は増収増益。その主な要因は何か。
 藤沢社長 財務体質の改善、売上高の回復、コスト削減効果の3つが重なり、前3月期は増収増益を果たすことができた。

 増収に貢献したのは子会社化した三共物商(福岡)を軸にした養殖魚インテグレーション事業。売上高約60億円がプラスされた。

 利益面では、適材適所の人員配置による生産性の向上や総コストの見直しが奏功した。

 物流体系の見直しを図り、大幅な減車を実施したことがコスト削減につながった。物流費はまだ削減できる余地が大きく、中期的には約20%の削減を目標にしたい。

 その実現に向けて、IT化による全面的な業務改善を進めている。前提となるのが商品コード体系の再整備。荷受兼仲卸機能を持つ当社の業態は他になく、モデルとなるシステムが存在しない。独自の業務システムを自社で開発・運用しなければならない。

新中計の骨子は増収と人材育成

 ――今年度は中計「Cキューブ」の最終年度だが進捗状況は。
 藤沢 ほぼ計画通りの進捗だが、売上高は計画を多少下回る見込み。ただし、今期も増収増益の基調は変わらない。

 今期は中計の締めくくりと、来期以降の新たな中計の策定を行う年。10〜11月には新中計を発表したい。

 2011〜2012年度の2期は売上高がやや回復したが、それ以前は8期連続の減収だった。卸にとっての減収は、企業規模の縮小を意味する。そこで全面的な財務改善に取り組んだ結果、今では無借金経営に近いほどの筋肉体質に変わった。今後は“攻め”のための投資戦略を明確に描いていきたい。

 ――現在策定中の次期中計の骨子は。
 藤沢 1つめは売上高の回復。売上高を伸ばすためには、新規開拓によるマーケットの拡大か、既存顧客とのパイプを太くするかのどちらかしかない。新中計では、そのための戦略を明確に打ち出していきたい。

 2つめはコスト削減。人件費や物流費などの販売・管理費はまだ高い水準にあるため、IT化によるコスト削減を継続していく。
 3つめは社員の人材教育を強化すること。社員に対する投資を行い、成長を促す。社員の成長が会社の成長につながる、との強い気持ちで臨みたい。

他社との差別化
 明確に打ち出す

 ――山梨・西関東広域流通センターが7月中旬から営業を開始する。同センターの役割は何か。
 藤沢 山梨県に低温度帯の物流センターがなかったことが新設理由のひとつ。また、西関東などへの物流拠点として活用する。
 調達面では、例えば名古屋で行っていた一部製品の分荷作業などを甲府に移し、甲府から東京、北関東などへの調達物流を行う。

 ――今後の展望について。
 藤沢 日本の中のマルイチ産商について考える時が来ている。当社の立ち位置を明確にする必要がある。三菱商事グループとの協業も視野に入れながら、他社との差別化を明確に打ち出していきたい。
 現状は甲信越、北関東、首都圏、中京地区が当社の販売エリアだが、グループ企業のインフラなどを活用しながら販路を積極的に拡大していく。

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