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この人に聞きたい:第405回
(週刊冷食タイムス:13/08/27号)

氷は“買う”文化を普及

(株)ニチレイ・アイス 代表取締役社長  有田 博之氏

(ありた・ひろゆき)昭和59年ニチレイ入社。平成19年4月タイのスラポンN上級副社長。21年ニチレイF事業企画部シニアプロフェッサー。22年4月現職。慶大工卒、昭和36年7月長崎生。

新しい使い方提案が不可欠

 製氷メーカーとして最も忙しい時期。しかも今年はコンビニの挽き立てアイスコーヒー向けに「革命的」といわれる氷の需要が生まれた。しかし有田氏は天候・気温変動に左右されない氷の新しい需要拡大にも取り組む。

 ――暑い。氷も売れるはず。
 有田 通常の氷、確かに売れてます。しかし、それ以上に今年は製氷の世界に革命的な出来事が生まれてます。

 ――コンビニ各社が出揃った挽き立てアイスコーヒー?
 有田 そう、これはすごい。1店1日100杯から130杯出る、と聞きます。店舗数をかけたら市場の大きさがわかる。レギュラーサイズかラージか、ラージのみか、売れ行きはどうか、チェーンにより違いはありますが、使われている氷は製氷会社の製品。あまりに大きな市場が急に出現したので、製氷業界の勢力図にも影響があります。

 ――間に合わない?
 有田 コンビニのアイスコーヒー向けに供給するため、レギュラー品の出荷をやめたり抑えたり。製氷業界は対応に右往左往してます。当社もコンビニのアイスコーヒー向けの仕事を多少持っており、これに通常ルートでも暑さ続きで需要は伸びており、あまり供給に余裕はない。これをカバーしているのが地場の製氷会社。各地で地場業者が元気いい。全体では供給に課題はあるが、コンビニのアイスコーヒー向けは順調です。

 ――既存ルートの動きは?
 有田 7月初旬は好調だったが、下旬から8月初旬まで鈍り、その後は連日の猛暑で出荷好調。前年比で10〜20%増、おかげさまです。特に西日本はすごく伸びてます。

 ――気温と完全にスライドした動き。儲かってる?
 有田 量は確かに出てますが、販売店からは低価格の強い要請があり、売価はダウン。厳しいです。量販店等で主流の1kgと差別化するため2kg大袋も出したが、これも価格安に動き始めました。新たな価値訴求のため、飲料大手メーカーとプレミアム氷に取り組んでいますが、浸透するには時間が必要。ただ、家庭用冷凍庫の氷とは違う良さや価値を啓蒙する活動は大切。年配者の朝起きの水と氷とか、おいしいフレッシュジュースと氷など、どうなのか。氷は買うもの、という新文化の挑戦。10年先を見て考えます。

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