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この人に聞きたい:第504回
(週刊冷食タイムス:15/08/25号)
提案力など「価格以外」で競争
ハウディ(株) 代表取締役社長 富永 哲生氏
(とみなが・てつお)平成2年学卒、伊藤忠で国際金融などを担当。13年同社に転じ、常務、専務から23年7月社長。富永征男相談役の長男。昭和42年1月生、早稲田大政経卒、48歳。
顧客の信頼ベースに前期10億円増収
大手資本による市場囲い込みが進む業務用卸業界にあって、着実に業容拡大を続けるのがハウディ(熊本市)。九州の業務用地域卸の雄として業界の信頼も厚い。社長就任から丸4年を経た3代目に、経営観などを聞いた。
――24年(6月期)が152億円、25年156億円、26年166億円と、3代目の社長も着実に伸ばしている。 富永 速報値ですが、前6月期売上げは176億2千万円で5.7%増か、と見ています。増収増益の基調は幸い維持しています。
――業務用卸業界は大手、中央資本が広域展開をさらに広げ、地域卸は厳しいが、九州で10億円の増収はすごい。 富永 基盤の熊本県内市場は県内全域をカバーする学校給食をはじめ、外食、惣菜でも大半の取り引きが既にあるため、伸び率は少ない。増収の多くは福岡など熊本以外のマーケットの底上げです。また、私が社長就任以来強化しているシルバー市場も2ケタの増収で、利益貢献してます。
――地域拡大も高齢者市場攻略も、同業卸はみな取り組んでいるが、うまくいかない。 富永 結局、業務用の地域卸は信頼・信用の世界だと思うんです。当社は創業した祖父(朔夫氏)の時代からその精神が貫かれており、私も大事にしています。価格で新規客を取り込んでも、価格で攻められるのがこの世界。そこで私は「価格でないところ」で競争しようと。つまり、提案力や商品力、情報提供、物流機能など。提案力を示す一例が業務用総合展示会であり、情報面ではDining Express、Howdy News、ぷらすデリなど業態に合わせた様々な情報誌を定期的にお届けしています。祖父の時代からの取り引きが続く多くのお客様がいます。お客様から新規客を紹介していただくこともあります。
――同業卸の展示会は熊本でもある。それでもHOWDY展は非常に多数が訪れる。 富永 商品を見るだけでなく、メーカーとの情報交換、講習講演会もあり、顧客同士の交流の場でもあります。介在するのが我々。私はメーカーと社員に「ありがとう、感謝、感動」のAKKを伝える催しにしようと求めました。「九州で存在感のある企業にしたい」というのが私の願い。機能強化にも取り組みます。
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