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この人に聞きたい:第628回
(週刊冷食タイムス:18/03/06号)

新倉庫の搬出入スムーズに

東京団地冷蔵(株) 代表取締役社長  織茂 裕氏

(おりも・ひろし)早大政経学部卒後、日本冷蔵(ニチレイ)入社。ニチレイ・ロジスティクス九州、ロジ関東、キョクレイ、東京ニチレイサービスで社長、2016年6月から現職。東京冷蔵倉庫協会会長。1956年8月生まれ、61歳。

ドライバー不足解決の糸口に

 東京平和島で建て替え工事を行っていた東京団地冷蔵の新倉庫が完成、稼働した。「食品流通の要となる企業をしっかり支えていく」と織茂裕社長は語る。

 ――北棟、南棟を合わせ17万7883tの巨大施設となった。
 織茂 日本の中枢港湾である東京港にあり、かつ、首都圏広域幹線道路網の要衝に位置する地の利を最大限に発揮します。当社所有の京浜運河沿いの敷地と、南北両端の土地・区道を付け替えることで、従来のように倉庫間を道路で分断されることのない大容積の一体化倉庫とすることが可能となりました。北棟は日本最大級の13万tの規模を誇ります。

 ――バースは運河側にある。
 織茂 その方が渋滞緩和策として利がある。季節風の分布が春夏季は南寄りに、秋冬期は北北東寄りとなっていることから、1階低温荷捌きへの暖気進入が少なく、さらに夏季の西日の影響も軽減できる現在の配置が決定しました。

 ――様々な配慮がある。
 織茂 付け替えた南北両端の土地は、公園として整備されることになっています。完成後は既存建物に災害時対応の船着き場を建設することも視野に入っており、二重の意味で公共に資する冷蔵倉庫となる計画です。

 ――もう少し特徴が知りたい。
 織茂 東日本大震災の教訓を生かして耐震面で徹底強化を図りました。建物には地盤の液状化対策とともに、ハイブリッド免震システムを採用。電気・機械室をはじめ主要施設を一定以上の高さに設置することで高潮・津波に備えました。セキュリティー面でも、入場管理では顔認証システムを導入し、倉庫内各所への監視カメラの設置はもとより、外周部には赤外線センサーも配置しました。

 ――環境対策は。
 織茂 冷凍ユニットに省エネ型自然冷媒機器を採用し、全館でLED照明を導入し環境負荷の軽減につなげています。隣接するテナント同士による共同配送への対応能力の高さも大きな特徴です。テナント間で業務協業化を進めていくための自由度を高めました。

 ――より効率的になる。
 織茂 新倉庫では大型コンテナが容易に入退場できる転回場と多くの大型車両向け待機場を設置すると共に、構内トラックヤードには共同の専用コンテナヘッドの活用も盛り込んでいます。これにより、事前に登録された搬入データに基づいて効率的な付替が実現可能となります。スムーズな搬出入と徹底したムダの削減により、ドライバー不足や超過勤務改善へ向け、解決の糸口を示しました。

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