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この人に聞きたい:第630回
(週刊水産タイムス:18/03/19号)

定置網クロマグロ混獲防ぐ

国立大学法人 東京海洋大学 准教授  秋山 清二氏

(あきやま・せいじ)昭和42年2月生まれ。東海大学海洋学部水産学科卒。所属は学術研究院海洋生物資源学部門。漁具漁法学、魚群行動学を専門としている。

 定置網漁業におけるクロマグロの混獲は漁業者にとって深刻な問題となっているが、その防止に有効な技術を開発した。

 太平洋クロマグロの親魚資源量は歴史的最低水準にあり、早急な資源回復が求められている。日本では中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の合意に基づき、体重30kg未満の小型魚の漁獲量を従来の約半分に制限する措置をとっているが、日本周辺に多数設置されている定置網は、沿岸に来遊してきた魚を待ち受けて獲る受動的な漁法のため、クロマグロ小型魚など種類や大きさの異なる様々な生物が混在して漁獲される。

 「クロマグロ小型魚の漁獲量が、あらかじめ設定された漁獲上限に達してしまうと、たとえ他の魚が獲れていたとしても、操業を停止せざるを得ない状況に陥ることもある」

 このため、クロマグロ資源の保全と定置網漁業の操業継続を同時に実現するために、定置網に入ったクロマグロ小型魚と他の魚を生きた状態で選別し、クロマグロ小型魚だけを健全な状態で網の外へ逃がす技術の開発に取り組んだ。

 「サイズ選別技術」「魚種選別技術」「緊急放流技術」を的確に組み合わせて運用することで、クロマグロ資源の保全と定置網漁業の操業継続を同時に実現できる可能性が広がるものと期待されている。

 「平成30年度は事業の最終年度。クロマグロ小型魚の選別・放流技術の開発を継続して実施し、これまでに開発した要素技術の的確な運用方法の検討を含め、定置網に入網したクロマグロ小型魚の50%以上が健全な状態で網外に放流されていることを検証する」

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