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この人に聞きたい:第633回
(週刊冷食タイムス:18/04/10号)

東中との提携は双方に利点

(株)久世 代表取締役会長  久世 健吉氏

(くぜ・けんきち)昭和45年入社、平成2年4月代表取締役社長就任。卸売を中心に事業を育て上げ、13年9月ジャスダック上場。19年外食アワード受賞。昨年6月から現職。早大商学部卒。昭和20年8月生まれ、72歳。

老健と外食、互いの得意技生かす

 老健・介護施設を得意とする東京中央食品と資本・業務提携を3月1日行ったばかり。同社の佐藤光一社長と昨年夏久々に会い「何か一緒にできればいいね」と語り合った事が実現した。

 ――佐藤社長との関係は?
 久世 ニチロ時代から知っていたが、深い付き合いはニチロサンフーズ社長時代から。ニチロサンFとは直取引しており、当社PBもお願いしていたが、佐藤氏は根っからの優秀な営業マン。しかも明るい。さらに当社の松崎俊幸専務は東京水産大で佐藤社長の1年先輩、当社で品管などを手伝っていただいている秋月良三氏は東水大同期でニチロの元同僚。

 ――昨年夏会ったそうだが。
 久世 久々会っていろんな話をしましたが、その際「何か一緒にできることがあるといいね」と。実はその前から当社も老健・介護食の取り組みを勉強していたんですが、外食主体の当社とは明らかにポイントが違う。そこで東中の狩野弘道社長(当時)に「教えていただきたい」と直接申し出たら「ウチにメリットがない」ときっぱり断られたんですね。それも佐藤社長と今回話題になって。

 ――久世は外食中心だが、メディカル系の得意先もある?
 久世 老健や病院の仕事が何カ所かはあるが、中途半端。一旦はあきらめようと考えたんですが、佐藤社長と再会して協業という考えが浮かんできた。しかも首都圏という同じ商圏ながら老健・介護食と外食はかぶらない。当社は生鮮野菜を扱う久世フレッシュがあるが、老健・介護食でも野菜は使う。丸野菜は東中のカット野菜工場に供給できる。高齢者向けに高カロリーのスープがキスコで少ロットでも開発・製造できる。

 ――人材面の利点もある。
 久世 外食の配達は夜だが、老健は早朝便。これもかぶらない。人手不足は共通課題。つまり個々の最適化を図らないと全体最適にならないが、今回の組み合わせは両社に大きな利点が生まれる。これまで「無理だね」と互いにあきらめていたところが、両者の協業でできることが生まれる。ただ、両社の独立性は維持します。

 ――実にうまい組み合わせ。今後のモデルの1つになりそうだ。
 久世 いや、まだ始まったばかり。成否は本当にやる気になれるかどうか。次の世代にどこまで意気に感じてもらい、実行するか。当社に旭水産が5年前にグループ入りしたが、互いに本気で取り組んだ結果、旭水産からは「グループに入ってよかった」と。今回も当社と東中が互いに良くならなければ意味がない。期待して下さい。

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