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この人に聞きたい:第678回
(週刊冷食タイムス:19/03/12号)

テイクアウト増加を好機に

(株)ヤグチ 代表取締役社長  栗栖 信也氏

(くりす・しんや)1983年4月入社。専務を経て、2012年8月から現職。「企業の成長のために、ヒトの力が肝心。人材育成にも力を入れる」。1953年10月生まれ、65歳。和歌山県出身。早大文学部卒。好きな作家は坂口安吾。

変化を捉え業績を上げる

 ヤグチの栗栖信也社長は軽減税率導入に伴う市場の変化を好機と捉える。冷凍食品については「もっと伸びる」と期待を示し、扱いを増やす考え。

 ――10月に消費税10%となり、軽減税率も始まる。
 栗栖 店内飲食は税率10%、テイクアウトは8%。2%の差は大きい。外食でテイクアウトやデリバリーが盛んになるはず。そもそも消費者の認識が変わってきた様子。例えばクルマは所有するより、カーシェアやレンタルを選ぶ方が増えましたし、スーツでさえレンタルがある。時間、場所、場合に応じて柔軟に利点がある方を選ぶ、そういう流れです。食材も家庭で「所有」せず、外食のテイクアウトやデリバリーの利用も増えていくでしょう。少子高齢化により、外出がままならない方による出前注文の増加も考えられます。

 ――軽減税率が変化を促すと。
 栗栖 転機になるかもしれません。いわゆるザラ場の近所には、テイクアウトやデリバリーの潜在ニーズがあるはず。外食の在り方が変わり、それに対応すればチャンスになるでしょう。

 ――業績の推移を伺いたい。
 栗栖 前5月期の売上高は前年比微増の771億円、利益は物流費等の販管費増により前年を下回る結果となりました。今期業績は1月まで前年並の推移です。厳しい市場環境は続いていますが、商いの原点に戻り、商品をきっちり販売し業績向上を図ります。冷凍食品の販売にも力を入れます。冷食売上比率は現状4割弱。素材も調理品も、冷凍食品はこれからもっと伸びるはず。冷食の扱いを4割以上にしたいと考えています。

 ――秋と春のヤグチ見本市で、有名牛丼店ブランドのやわらか加工した冷凍牛丼を紹介し来場者から注目を集めた。
 栗栖 牛丼を食べてきた世代が次第に高齢化し、歯が悪くなるなど身体の変化が出てきます。もう一度食べてみたいという方のために、柔らかく加工した牛丼が登場した。冷凍にしたことで店舗の味を再現できたと聞いています。これに限らず、変化を捉えた良質な冷食の扱いを増やします。

 ――PB商品拡充については。
 栗栖 品数を揃えるだけではなく、ユーザーから必要とされる商品を開発します。支持を得ることが肝心です。NBもPBも簡便で付加価値が高い商品の問い合わせが増えています。その背景にユーザーの危機感があります。人手不足問題もなかなか改善されないため、時間と手間の軽減は必須課題です。時短などのニーズを捉え、当社は成長し続けます。

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