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この人に聞きたい:第763回
(週刊水産タイムス:20/11/30号)

優れた市場機能 さらに発掘

株式会社 大水 代表取締役社長執行役員  山橋 英一郎氏

(やまはし・えいいちろう)昭和31年11月23日生まれ。東京都出身。慶應大学法学部卒業後、日本水産入社。業務用食品部長、執行役員食品事業副執行などを務め、平成28年から大水。令和元年6月社長。

 ――大阪でも新型コロナウイルスの感染拡大が収まりません。
 山橋 残念ながら当社も従業員1人の感染が11月20日判明しました。これまでマスク着用や手洗い・手指消毒を徹底し、テレワーク勤務や時差出勤の導入、多人数での会食の自粛など、コロナの感染拡大防止に努めてきました。感染防止マニュアルも3月以降、何度も改訂しながら、その都度、周知徹底を図ってきています。
 ただ、感染対策にゴールはありません。今後も社内外への感染拡大の防止と従業員の安全確保を最優先に、これまで以上にきめ細かく対応していきます。

 ――全国の荷受(卸売会社)がコロナ禍で苦戦しています。

第3波到来で先行き不透明

 山橋 当社も第1四半期(4〜6月)はコロナの影響を大きく受けました。7月以降は、緊急事態宣言時のピークを脱してやや持ち直し、10月は前年比104%の売上高まで回復したのですが、11月の“第3波”で再び厳しい局面に立たされました。年末商戦はかき入れ時ですが、今回ばかりは全く先が読めない不透明な状況です。

 ――業務面でコロナにどう向き合ってきましたか。
 山橋 世界的な感染の広がりをみて、当初からコロナ禍の常態化、長期戦を覚悟しました。ただ、そうした中にあっても、企業としては何としても生き残らなくてはならない。事業の維持・継続に向けて、数年前から取り組んでいる構造改革の動きをパワーアップしながら、業務改善、新規事業へのチャレンジ、新規顧客層の開拓に努めてきました。

改革と体質改善「避けて通れず」

 また、危機管理や働き方改革にも通じる取り組みとして、個人からチームで業務を行うことを意識し徐々に効果が出てきています。
 改革の必要性はこれまで誰もが感じてきたことです。でも実際にはなかなか手を付けられなかった。コロナ禍を契機とした取り組みであっても、改革、改善につながるのであれば、それは一つの成果と受け止めたい。市場卸として生き抜くための体質改善は、避けて通れない道です。

 ――天王山の年末商戦に突入しました。
 山橋 コロナ禍で動向が読みにくいのは確かですが、巣ごもり需要の拡大をにらんで量販店は「おせち回帰」を期待し、例年にも増して積極的な販売計画で臨んでいます。当社としてもこの流れにしっかりと呼応したいと思います。

 ――どんな状況下でも活路を拓く。
 山橋 全国津々浦々からの水産物が集結し、その日のうちにさばかれていく。流通の要である卸売市場は、日本が世界に誇るべき非常に優れた機能を有しています。
 当社も水産物流通の担い手として、日本の食文化の伝統や卸売市場の役割をしっかりと支えながら、市場機能のさらなる発掘、業容の拡大に努めたい。
 今年度は極めて厳しい事業環境にありますが、3カ年の中期経営計画(令和3年度に売上高1350億円、経常利益7億円)の旗は降ろしません。
 「自然の恵みに感謝し、古(いにしえ)からの食文化を守り、新たな食の創造に挑戦する」のが大水グループの理念です。
 様々な環境変化を先取りし、食を通じて人々の健康と幸福に貢献するという基本的な姿勢は今後も変わりません。
 社長室には関西の地図と世界地図が隣り合わせで貼ってあります。そこには関西を基盤として、世界を視野に入れた事業展開をめざすという我々の率直な思いが込められています。

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