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この人に聞きたい:第792回
(週刊冷食タイムス:21/07/06号)

目的に沿う段階的な構造

(一財)食品安全マネジメント協会 理事長  大羽 哲郎氏

(おおば・てつろう)千葉大学園芸学部農芸化学科卒業後、国内外の食品製造企業や流通企業で34年間品質保証や研究開発に携わる。2017年に東京大学大学院農学生命科学研究科修了(農学博士)。20年3月に理事長就任。1960年神奈川県生まれ。

“安全”意識する文化を

 日本発の食品安全マネジメント規格であるJFS規格。プログラムオーナーである食品安全マネジメント協会(JFSM)の大羽哲郎理事長にJFS規格の特徴や展望を聞いた。

 ――JFS規格の特徴は。
 大羽 最大の特徴はすべての食品事業者が取り組みやすい段階的な仕組みにあります。
 @一般衛生管理とコーデックスHACCPの弾力的運用を求めるA規格AコーデックスHACCPの実践を求めるB規格BGFSI(世界食品安全イニシアチブ)の承認セクターを含む国際標準のC規格――の3段階を用意しております。中小事業者でも入門レベルから取り組み、国際標準をめざしていける仕組みとしました。
 いずれのレベルの規格でも、HACCP制度化で要求されるコーデックスHACCPの運用をベースとするため、制度化が求めるHACCPに基づく衛生管理、あるいは、その考え方を取り入れた衛生管理に対応できるようにしています。

 ――規格認証取得、メリットは。
 大羽 企業の食品安全レベルの引き上げや保健所の監査時に必要な書類作成に寄与するほか、食品安全に対する意識の向上がメリットとして挙げられます。規格を取得した事業者からは、食品安全を常に意識する文化が社内に定着したという報告をいただきました。JFSMの理念とも一致することでありうれしく思います。JFS規格を取引き時の条件として設定している事業者も増えてきており、国内の販路拡大や輸出強化にもつながると考えています。

 ――現在の取得状況は。
 大羽 7月5日時点でA規格16件、B規格1485件、C規格89件の認証または適合証明を発行済みです。また、外食や中食向けのフードサービス規格で17件、青果物のタイ輸出向け規格で54件を承認してます。現時点の総数は1661件。21年は、累計で2200件を目標としています。
 なお、冷食関連は6月25日時点で計121件(A1件、B112件、C8件)となっています。

 ――食品事業者へメッセージを。
 大羽 既に認証取得した事業者には積極的なステップアップをお願いしたい。C規格は輸出強化に限った規格ではなく、国際標準の高い衛生管理体制を示すもの。同業他社との差別化が可能となり、国内における新たな販路開拓のきっかけとなるはずです。海外展開を現在検討していない事業者にも取得していただきたいです。

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