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この人に聞きたい:第821回
(週刊冷食タイムス:22/02/08号)

本格参入初年の市販用順調

昭和冷凍食品(株) 代表取締役社長  金子 敦氏

(かねこ・あつし)1991年昭和産業入社。食品開発センターで主席研究員、同所長から2019年(株)スウィングベーカリー社長。21年4月昭和冷凍食品(株)社長に。1969年3月埼玉県皆野町生まれ、茨城大資源生物科学科卒、52歳。

「ぼてぢゅう」の味を家庭でも

 20年度の経験を基に21年度から市販用市場に本腰を入れ、老舗店監修たこ焼などを投入。この1年の経過と今期(1月〜)の経営戦略、意気込みなどを金子社長に聞いた。

 ――前12月期の着地予想から。
 金子 売上げは前年比微増になったかと見込んでいます。

 ――事業環境、良かった商品とその背景などは?
 金子 冷凍生地、焼成冷凍パンなどのベーカリーは前年を割っていますが、生協向けと昨年から本腰を入れた市販用商品が寄与したことが微増につながった。特に19年度強い引き合いがあった市販用に昨年春から取り組みを強化したことで市販用「SHOWAぼてぢゅうたこ焼」、生協向け「おてがる簡単ピザ生地玉」などが好調。逆に市場低迷が続く外食向けを主販路とする焼成冷凍パンは苦戦を強いられました。

 ――本格参入1年目の市販用展開はどうだった?
 金子 「ぼてぢゅうたこ焼」は大阪の老舗「ぼてぢゅう」とのコラボ商品。この商品は“外食の味を家庭で”というコンセプトも受け入れられ、比較的順調に推移しました。

 ――同じく市販用に投入したホットケーキの動きは?
 金子 「ひとくちホットケーキ」はプレーン、メープル、チーズの3種。これは以前から実績のある生協での販売は見込み通りでしたが、期待した全国の量販店での採用は低調でした。コロナで提案活動が制約されたのが痛かった。

 ――では1月からの新年度の取り組み方針は?
 金子 昨年から新たに取り組みを始めた市販用商品をさらに全国に浸透させられるよう営業活動を進めます。市販用は今年も新製品を加え、提案します。

 ――再び感染拡大防止のため、対外活動は依然制限が続きそうだが。
 金子 昨年は市販用提案と浸透のため地方にある有力量販店への営業活動がほとんどできない状態でした。今後も相変わらず感染防止の制約はいろいろあると思いますが、なんとか商品の特徴を含めていねいに説明を行うことで取扱店舗を広げ、拡販につなげたいと思っています。

 ――昭和産業のグループ会社の利点も活かす?
 金子 昭和産業は販売網を全国に持っており、各地の量販店ともパイプを持っています。この経営資源を昭和冷凍食品にも活かしてもらい、連携して拡販につなげたいと考えています。

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