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この人に聞きたい：第836回
（週刊水産タイムス：22/05/30号）

無意識の情報を生かす

クックパッド（株）　Japan執行役員　　北井　朋恵氏

（きたい・ともえ）　東京都出身、1972年生まれの50歳。滋賀文教短期大学国文学科卒業。京都日産自動車や大東京火災（現あいおいニッセイ同和損害保険）、リクルート勤務などを経て2019年にクックパッドに入社した。20年９月に現職。

　レシピ投稿・検索サービスのイメージが強いクックパッドだが、北井氏は入社以来、企業の経営を支援するマーケティングソリューション事業に従事してきた。このほど提供開始した新サービス「グローバルデータソリューション」において事業責任者を務める。
　同サービスはクックパッドで日々蓄積されるビッグデータを活用し、食品関連企業の海外展開を支援するもの。世界74カ国・地域、32言語で展開する「クックパッド」サービスのうち、一定の基準を満たす約40カ国・地域のデータを採用。考察・分析を加えて情報提供を行う。
　「クックパッドは消費者自身が投稿を行うレシピサービス。アンケートや聞き取り調査による意識的な情報も提供可能だが、有効性の高い“無意識”の情報が集まるのが強み。グローバルデータソリューションのほかにも複数の法人向けサービスを展開しており、貢献できることは多いはず」
　コロナ禍の影響を受け、外食率が高かった地域においても家庭で調理する文化が見直されつつある。クックパッドにおいても台湾やインドネシアなどのアジア圏を中心に利用者数が増加傾向にあり、同社が保有するビッグデータの価値も高まっている。
　魚を生で食べることに馴染みがない国は多い。どう加工（調理）するかが重要となる水産物の海外展開において同サービスの積極的な活用が期待される。
　「『どうやったら子どもが喜んで魚を食べてくれるか』を悩むユーザーが多いというデータも得ており、魚食普及の伸びしろを感じている。課題を強みへと転換するお手伝いをしたい」

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