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業界交差点

この人に聞きたい:第845回
(週刊冷食タイムス:22/08/02号)

広いマーケットへ展開

(株)下園薩男商店 代表取締役社長  下園 正博氏

(しもぞの・まさひろ)学卒後2003年に東京のIT関係会社に勤め、05年水産卸関係会社の営業職に就く。10年に実家の下園薩男商店を継ぎ、19年に現職に就任。福岡工業大卒。鹿児島県阿久根市出身。昭和55年生まれ、42歳。

調達力と開発力が強み

 1939年から続く老舗水産加工会社の下園薩男商店(鹿児島県)はクックパッドと協業し、冷凍魚惣菜「はらぺこサバケチャ」を開発した。その取り組みの背景を下園社長に聞いた。

 ――協業のきっかけは。
 下園 クックパッド様から新しいビジネスのお誘いがあり、様々なデータをもつ企業とコラボすることは非常に面白いと感じました。そのビッグデータを当社の持つ地元素材の原料調達力と水産の天皇杯など様々な賞をいただいた商品開発力という強みと組み合わせることで、こだわった食のセレクトショップ向けの商品だけではなく、広いマーケットへの商品展開ができると考えました。

 ――強い商品開発の秘訣は。
 下園 地方の水産企業が生き残る道としてただ単に干物をつくるだけではなく、自分たちで新しい商品を作り出していきたいという若者の採用を強化したからです。なかには個人事業主として活動している社員もいます。

 ――協業では発見があった。
 下園 ケチャップは水産業界ではあまり使わない味付けでしたが、昔からサバのケチャップ煮込みが人気だというデータには驚きました。このようなクックパッド様の魚種ごとの人気レシピのデータの裏付けもあり、今回マーケットに定めた生協の宅配や量販店の冷凍コーナーでも人気が出そうだと感じ、発売に至りました。

 ――なぜ冷食に取組んだ。
 下園 私たちのメイン商品の丸干しや塩干品はこれからどんどん売上げが落ちていくと考えています。さらにコロナ禍でお店に行く頻度が少なくなってくることで賞味期限の問題が顕在化しました。 冷凍食品は時間の空いた時に解凍できてすぐに調理できることや賞味期限が長くて店舗のロス率が低くなるというメリットがあります。これからも自然素材にこだわり、最後にひと手間を加えて調理する魚惣菜など冷凍食品の開発に力を入れていきます。

 ――商品のこだわりは。
 下園 冷凍食品が健康に悪いというイメージを払しょくするため健康に良いものを中心に使用しました。自分で料理をした感覚を持てるようフライパンで煮込んだり、ひと手間加えてアレンジしたりできるようにしました。

 ――販売した手ごたえは。
 下園 イオン九州の200店舗で7月に発売しましたが、11月には生協での取扱いも決まりました。急に生産を増やしていくのは難しいので徐々に製造を拡大し、当社の売上げの7割を占める関東を含めてさらに多くの地域へ販売していきたいと思います。

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