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業界交差点

この人に聞きたい:第849回
(週刊冷食タイムス:22/09/06号)

食品業界から自然冷媒化を

フクシマガリレイ(株) 代表取締役社長執行役員COO  福島 豪氏

(ふくしま・ごう)6月27日付で現職。前社長の父裕氏が会長となり、代表取締役2名体制の下、営業本部長と東日本支社を担当。「この会社が好きです」と新たな風を吹き込んでいる。大阪教育大学大学院卒業後、電機メーカーを経て05年入社。77年大阪生まれ、45歳。

実現に向け技術者の養成も

 ――今年の国際食品工業展でCO2冷媒ユニット「NOBRAC」(ノブラック)を発表した。
 福島 大きな反響がありました。大型の冷凍物流倉庫や大手食品メーカーは小売業以上に環境意識が強いと感じました。食品工場は20年くらいの長いスパンで設備を考えるので、長期的な流れで採用を前向きに検討されていると感じます。当社も環境対策で先を行く食品業界でグリーン冷媒化を推進し、そこから他の分野に広げていこうと考えています。

 ――CO2冷凍ユニットは子会社のタカハシガリレイで「シグマ」の実績があるが、「NOBRAC」はより効率を高めている。
 福島 自社のトンネルフリーザーとのマッチングで高い効率を実現しました。

 ――グループ力の強みだ。
 福島 フリーザーでお世話になっているユーザーに高効率の自然冷媒冷凍機で恩返しができます。「僕らが立ち上がらないといけない」と自社で取り組みました。

 ――技術者育成のため「ガリレイアカデミー」を今年開校した。
 福島 これまでの冷媒より高圧なCO2冷媒の施工・メンテナンスはハイレベルな技術が必要で、今回のCO2トランスクリティカルブースターユニットはさらに高いレベルが要求されます。そのため技術者を増やさなくてはいけません。そこで、5年で1人前になるところを、3年で習得させることをコンセプトに開校しました。

 ――今は技術者が足りないと?
 福島 少ないですし、業界全体が高齢化しています。特に地方だと2時間かけて修理現場に行き、直らなければ収入にならないということもあり大変です。後継者がいない業者も出ています。業界全体で修理業の地位を高めたいので、今後は社外からの入校も考えたいと思っています。

 ――遠隔監視による予知保全「スマート診断」も進めている。
 福島 機器の稼働データを遠隔通信で収集し、そのビッグデータを基に学習したAIが不具合の原因を予想します。将来的には故障する前に予知して修理する「ゼロコールカンパニー」の実現をめざします。機器の設定が間違っているのではないかと指摘し、現場に行ってみるとその通りだったという実例が既に出ており、手応えを感じています。

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